金価格は2027年程度まで上昇する可能性
現在の金価格の上昇トレンドは、2015年12月から始まっている。1045.85ドルの安値を付け、そこから現在まで上昇が続いている。
今年8月には史上最高値の2072.49ドルを付けたが、これもまた上昇ピッチが速すぎたこともあり、その後は徐々に調整色が強まり、直近では1760ドル台まで下落している。
現在の金価格の上昇基調がいつまで続くのかは、過去の上昇トレンドの期間を参考にするとよい。前述の2回の上昇トレンドは、おおむね12年間続いていることが確認できる。この傾向を今回に当てはめると、金価格は2027年程度まで上昇する可能性が想定される。
もちろん、これだけで上昇が続くとは言えないのだが、上昇期間を考えるうえで参考にはなるだろう。
財政収支改善は、金価格にはネガティブ
過去の2回の金価格の上昇の背景は、インフレ率の上昇であり、金融市場の混乱だった。今回の金価格の上昇の背景はどうだろうか。そのヒントは、低金利政策と財政出動にあるだろう。
上記のように、米国は今後も財政出動と金融緩和策を継続するであろう。その結果、景気が回復し、税収が増える可能性がある。そうなると、財政出動の規模が縮小され、財政収支が改善していくことが考えられる。
特に過去2回の民主党政権下では、そのようなことが起きており、ドルが上昇する場面もみられている。この点は、金価格にはネガティブに作用することになる。