京都精華大学
1968年、京都市左京区に設置された私立大学。短期大学を前身とするが、現在は4年制のみ。在学生は4196人(大学院含む、2010年5月1日現在)。学部は人文学部、芸術学部など4つ。偏差値は46(人文学部)。マンガ学部では学部長の竹宮惠子のほか、さそうあきら、業田良家、村上もとかなど著名な漫画家・原作者が教員を務める。
4年生の石田豊さん。卒業制作の追い込み作業中だった。
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4年生の石田豊さん。卒業制作の追い込み作業中だった。

千葉科学大のように筆者が評価を誤った大学はほかにもある。そのひとつが京都精華大学(京都市左京区)のマンガ学部だ。

同大のマンガ教育には長い伝統がある。短大時代の1973年に美術科デザインコースでマンガクラスを設立。79年の4年制大学昇格時にマンガコースとなり、00年には芸術学部マンガ学科へと発展。06年の学部再編のときに、全国初のマンガ学部が発足した。

筆者は当時、マンガをわざわざ学部として扱うことには強い違和感があった。漫画家としてのスキルは学部や学科で学ぶものではなく、個人の資質の問題である。大学や高校のマンガ研究会、もしくは美術大学など切磋琢磨の場はいろいろとある。わざわざ大学に学部を設置する必要はない――。そう考えていた。

ところが、マンガ学部は着実に実績を挙げている。学部発足時の1期生70人のうち7人はマンガ誌に作品が掲載され、「プロデビュー」を果たした。その一人である助野嘉昭氏は月刊誌で作品を連載するなど人気作家になっている。

同大の特徴は教育熱心な教授陣である。現役の人気作家や原作者を実務教員として揃えており、たとえば少女漫画の第一人者で学部長の竹宮惠子氏も、熱心に実作指導を行う。

マンガ関連の学部・学科は他大学にもある。その多くも人気作家を教員として招聘している。ただし、マンガの実作指導についてのノウハウでは、他大学を上回る蓄積があるようだ。

3年生の麻生江美さんは広島県出身。プロの漫画家を目指して、マンガ学部に入学した。進学の理由をこう話す。

「他大学のマンガ関連の学部・学科も検討しましたが、本当に作品への指導をしてくれるのか疑問でした。その点、この大学ならしっかりとした指導をしてくれると思い、決めました」