だらしない人ではない。まじめ、完璧主義者の人が依存症になりやすい

このような依存性物質(アルコール、違法薬物など)や依存に陥りやすい行為(一般的に快楽を伴う――ギャンブル、ゲーム、セックスなど)の側の怖さもさることながら、依存に陥りやすいタイプの人は確実にいる。

それは、まじめ、完璧主義者、勝ち負けにこだわる人、人に素直に頼れない人などだ。つまり、依存症はもともとだらしない人がなるのではなく、真面目な人をだらしなくしてしまう病気ともいえる。

こういう人は自分にプレッシャーを与え続け、またちょっとしたことで不全感を抱きやすい。そのうえ、ほかの人に弱音が吐けないということになると、酒に逃げたり、違法薬物に手を染めてしまったりする場合がある。

天然氷の入ったグラスにウイスキーを注ぐ
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ギャンブルやセックスは、勝っているときや女性を口説き落とした時などにつかの間の万能感を得ることができるので、この手の完璧主義者や勝ち負けにこだわる人には、ほかで勝てなくても「勝った」快感を与えてくれる。それがやみつきになって、お金をいくら損しても、あるいは社会的信用を損なっても、新たな「勝ち」を求めてしまうのだ。

あと、勝ち負けにこだわったり、白黒はっきりつけないと気がすまなかったりする人の場合、いったん負けと思ったら自暴自棄に陥る可能性も高い。薬物依存やアルコール依存の自分は人間のクズ(この手の人は勝ち組と負け組、すごい人とクズというような二者択一になってしまうのだ)と思うから、落ちるときはどん底まで落ちればいいと思いがちだ。

また、人に頼れない人は、薬物であれ行為であれ、それに頼ってしまう。アルコールも一人飲みのほうが危険だし、ギャンブル依存症でも買い物依存症でも仲間と連れだってやる人はまずいない。

正しく「人に頼る」ことを覚えさせる依存症者をサポートする自助グループでは、自分の限界をお互いに話し合い、人に頼ることを覚えさせる。この有効性は高く評価されている。

完璧主義者やかくあるべしという考え方の強い人はうつ病になりやすい

実は、こうした性格・傾向は依存症の人以外にもメンタルに大きな悪影響を及ぼす。

完璧主義者やかくあるべしという考え方の強い人は、人一倍努力をするが、そうなれないときに自分を責めてしまう。その上、苦しいときに人に頼れなければどんどん落ち込んでしまい、うつ病になりやすい性格傾向とされる。

しかもいったん鬱になってしまうとダメな自分を余計に責めてしまう。自殺という最悪の結末を迎える人にはこの傾向が強いと言われる。