「やる気」「モチベーション」を出すコツは、自転車を漕ぐのと同じ

「やる気があるから行動できるのではなく、行動することでやる気が起きる」

ちょっと知識のある人なら、こんな話を聞いたことがあるかもしれません。

私たちの「モチベーション」や「やる気」は、いったいどのように生まれるのか? それは、「行動」することにより人間の脳の側坐核という部位が刺激された結果であることがわかっています。

つまりは、この部分が刺激されないと「モチベーション」「やる気」の源は生まれない。

科学的に正しいのは、「モチベーションを上げ、やる気を出して動く」のではなく、「動くからモチベーションが上がり、やる気が出る」というプロセスです。

「モチベーション」「やる気」と「行動」の関係は、たとえるなら自転車のようなものです。最初にペダルを漕ぎ出す時がもっとも負荷が大きく、動き出しも遅い。ところが、いったん動き始めれば、だんだん勢い(=「モチベーション」「やる気」)が出てきて楽になる。

レース中のマウンテンバイクからの視点
写真=iStock.com/Natnan Srisuwan
※写真はイメージです

ですから、「やる気がないから、できない」ではなく、「動かないから、やる気が出ない」が正解なのです。

「小さな成長」を伴う行動が大事

人によっては、動き始めても「モチベーションが上がらない」「やる気が出ない」という状態が続くことがあるかもしれません。モチベーションが上がらないけれどとりあえず会社に行って仕事はしている、頑張って始めたけれどやる気がなかなか出ない、といったパターンです。

ハーバード・ビジネス・スクールのテレサ・アマビール名誉教授の研究によると、「やる気」や「モチベーション」を生み出すために効果的な側坐核への刺激は、「小さな成長」だといいます。

つまり、小さな成長を実感できないことを延々と繰り返していていも、側坐核への刺激が弱く、その結果、行動してもなかなかモチベーションが上がらなかったり、やる気が出ないといった現象が起きてしまうのです。

行動しないと、また、そこに小さな成長がないと発生しない「モチベーション」「やる気」を、動く前から「早くやる気が出ないかな?」と望むのは、まるで買ってもいない宝くじを「当たらないかな?」と願うようなものです。

そんな人が、自分の望む人生を実現できるはずがありませんよね。