やりたい放題の給料泥棒社員、ヨシハラ君はクビになるのか?

テレワーク生活も5カ月目に突入した大手システム開発会社勤務のヨシハラ君(仮名・30代)。勤務時間中の飲酒やサウナ、そして会社PCの稼働状態を偽装して残業代を生み出すのが日課だという。最近は行動も大胆になってきて、勤務時間中のウーバーイーツ、ユーチューバー活動も始めた。今回はそんなヨシハラ君に、弁護士の事務所へ相談に向かってもらった。

ヨシハラです。働いているふりをして給料を貰うことは犯罪に問われるのでしょうか。そんな不安に苛まれ、心穏やかに偽装テレワーク生活を送れなくなることがあります。そこで、企業法務に詳しい末啓一郎弁護士に相談してみました。

「まず、刑事事件で立件されることは考えにくいです。刑事上の詐欺罪は、欺罔きもう行為(人を騙すこと)、錯誤に基づく財産の交付という一連の構成要件を満たすことで成立します。PCの稼働状態を偽装することは欺罔行為になりえますが、偽装されたPCの稼働状態に騙されて給料の計算をしている個人がいるのでないのなら、詐欺罪が成立するとは言い難いでしょう」(末氏、以下同)