断っても気にしないから、もし来られたら来てくださいね

たとえば部下を励ますために飲みに誘っているつもりでも、そこには少なからず力関係が発生する。特に女性の部下の場合、本当はイヤだと思っていても断れないケースも多い。やりすぎのように思えても、「断っても気にしないから、もし来られたら来てくださいね」とひとこと添えるだけで、ずいぶんと印象は違うはずだ。

男女平等とは、男性にも女性にも同じようなコミュニケーションを求めることではない。些細な心遣いによって、相手との立場や体格の差を埋めていくことで、本当の意味での男女平等が実現できるといえるだろう。

大島さんは終始「男性を一方的に断罪するのではなく『男性も女性もお互いに自分の振る舞いを正してほしい』という平和的な解決策を模索しているんです」と語っていた。

男性と女性がお互いの粗探しをするのではなく、配慮が足りていないことがあればそれぞれで話し合って、姿勢を見直していく。そうした心がけが、男性と女性がともに力を合わせて働く「職場」という空間においてもっとも大切なことではないだろうか。

この記事を読んで、もしかすると「自分が非難されている」と感じた男性もいるかもしれない。

大島さんへのインタビュー中、筆者自身も過去の苦い経験を思い出して後ろめたさや罪悪感を感じる瞬間があった。しかし、その後ろめたさを受け入れ、自分の意識を少しずつアップデートしていかなければならない。聞こえのいいフレーズと共に喧伝される「男女が共に働きやすい職場」は、そうした反省と心遣いがあってようやく実現するのだと感じた。

(写真=PIXTA)
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