バブル絶頂の80年代後半の大卒就職者数は、年間平均29万4000人。その後、3度の不況があったが、一番就職が厳しかった99年就活期(入社は2000年となる)でも、採用数は30万人を下回ってはいない。2003年以降、就職数は長期好景気で伸び続け、2008年にはなんと38万人を越え、過去最高を更新している。好景気と不況期で就職数に上下動はあるが、長期的には新卒採用数は増えている。

では、なぜ世間で言われていることと実際の数値に差が現れるのだろうか。

理由は2つ考えられる。

一つは、大企業の採用数が、景気により大幅に上下動することだ。大卒就職者数全体で見れば、30万~38万人と大体、34万人を中間値に上下1割程度の増減なのに、大企業は平均値よりも上下5割近い増減をする。その結果、大企業志向の強い学生たちが、「氷河」を強く意識してしまうのだろう。

二つ目に、就職数の性別内訳を上げておきたい。全体就職数が長期的に伸びている中で、男子就職数が停滞し続けている。男子就職数に限っていえば、1998年から2005年にかけて、バブル期を割りこんでいた。変わって、女子就職数が伸び続けている。

そう、就職口が減っていると感じているのは、男子であり、これは女子に押し出された、といえるのだ。背景には、女子4大進学率がこの20余年で4倍近くに上がり(1985年13.7%→2008年44.2%)女子学生が増えたこと、女子は男子よりも就職率が高い(直近08年では男子63.4%:女子76.8%)ことなどがあげられる。

旧来なら、女子で非就職だと「家事手伝い」ということができるが、男子だとこれは難しい。就職問題の本質はこの辺りにもあるのだろう。

・パーセンテージは就職者数を卒業生の数で割って算出(文部科学省「学校基本調査」)
・データに関する詳細説明は、拙著>>『雇用の常識「本当に見えるウソ」』(プレジデント社)をごらんいただきたい。

※この連載では、プレジデント社の新刊『面接の10分前、1日前、1週間前にやるべきこと』(3月15日発売)から一部を抜粋して<全5回>でお届けします。