きっかけは「森友問題で自殺した職員の遺書」

そんな昭恵の心胆を寒からしめたのが、財務省職員による森友学園の文書改竄かいざんで自殺者が出たことだったのではないか。

この後、昭恵の派手な行動はやや影をひそめる。自殺した職員が遺した遺書に何が書いてあったのか、怯えていたのではないか。その怯えが、彼女を変えたのではないか、そう私は考えている。

週刊文春(3/26号)で、森友学園問題を追及してきた相澤冬樹元NHK記者が、自殺した財務省近畿財務局職員・赤木俊夫の「遺書」全文をスクープするのである。そこには、

「森友問題 佐川理財局長(パワハラ官僚)の強硬な国会対応がこれほど社会問題を招き、それにNOを誰れもいわない これが財務官僚王国 最後は下部がしっぽを切られる。なんて世の中だ、手がふるえる、恐い 命 大切な命 終止符」

と書かれ、「手がふるえる」という箇所に下線が引いてあるそうだ。

さらに「佐川理財局長の指示を受けた、財務本省理財局幹部、杉田補佐が過剰に修正箇所を決め、杉田氏の修正した文書を近畿局で差し替えました」。「3月7日頃にも修正作業の指示が複数回あり現場として私はこれに相当抵抗しました」が、本省から来た出向組の小西次長は、「元の調書が書き過ぎているんだよ」と調書の修正を悪いこととは思わず、あっけらかんと修正作業を行ったというのである。

赤木は「大阪地検特捜部はこの事実関係を全て知っています」と書いている。

自分にすべての罪が着せられる。怯えが赤木の心身を蝕み、自殺してしまったのである。

自分の人生を取り戻すと決断したのではないか

昭恵が、この遺書を週刊誌で読み、赤木の無念に思い至った時、自分の犯した罪の深さを考えずにはいられなかったのではないだろうか。

仮面夫婦であっても、夫が最高権力者でいるうちは、周りもちやほやしてくれる。だが、ひとたび首相の座を降りれば、彼女への媚びへつらいが、一瞬にして、誹謗中傷に代わることは、火を見るより明らかである。

そして、こう決断したのではないか。安倍の妻でいることよりも、自分の人生を取り戻すことを。

安倍首相は、相も変わらず新型コロナウイルス感染対策でも、弱者に寄り添うことのない身勝手で場当たり的なやり方で、国民の怨嗟の声が日に日に高まっている。東京五輪は1年近く延期したが、それもコロナの感染が終息しなければ中止に追い込まれる。

祖父の悲願だった憲法改正も夢のまた夢になり、アベノミクスも、消費税増税にコロナ不況が拍車をかけ、失敗に終わることは間違いない。

悲惨だった第1次政権よりもさらに悲惨になるであろう第2次政権の終末を、昭恵はどこで見届けるつもりなのだろう。(文中敬称略)

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