面談後、自分が大きくなったように感じられた理由

できる部下は自らの優れた業績を認識していると思い込んでいるマネジャーは多いが、必ずしもそうとはかぎらないものだ。面談では、まずその業績を具体的に伝え、部下の貢献や成果に対して惜しみない感謝を表そう。マンゾーニは次のように述べる。

「その年のパフォーマンスを高く評価したうえで、現在の役割や能力をさらに向上し続けられるようなアドバイスを行おう」。具体的な評価を伝える前に、努力に対する心からの感謝を伝えると、よりそれが受け入れられやすくなる。上司である自分と会社にとって、できる部下の存在がどれほど重要かと考えれば、その部下を高く評価していることをいくら強調してもしすぎることはない。

優秀な部下の多くは自己改革に熱心であり、だからこそ優れた業績を挙げているともいえる。彼らがさらに成長し続ける手助けをすることは、上司としての責務である。たゆまぬ努力を引き出し、売り上げであれ昇進であれ、新たな目標をいかにして達成するかを丁寧に話し合うべきだ。部下の目標の障害となりうるものは何か、そしてそれらを克服するにはどうすべきかを明らかにしよう。

後ろ向きの話をする必要はない。マンゾーニは、とても優れた上司のもとで働いた経験があるという。その上司は、マンゾーニの次の目標は何か、そして、いかにそれを達成するかを考えるうえで上手に手助けしてくれたという。マンゾーニは、「査定面談において非難されたと感じたことは一度たりともありませんでした。面談で彼のもとを訪れた後には、自分の身長が1.5倍にも伸びたようにすら感じたものです」と語っている。