部下からの評価も素直に求めよう

部下の目指すべき目標について確認し合うことができたら、今度はモチベーションや価値観について聞いてみよう。たとえば「どんな分野で第一人者といわれるようになりたいですか」とか、「あなたにとって最も重要なことは何でしょう」などと問いかけてみるとよいだろう。

こうした質問によって、部下は自分のキャリアについて考え、現在の役割と次なる目標がどう結びついていくかを検討できる。こういったプロセスを経て、優秀な部下はハリス言うところの
「現在の成功要因と、次に目指すべき目標をはっきり認識する手立て」を得ることになる。

また、上司であるあなたも、部下の目指す方向と会社のそれとをどのように一致させるべきか見極めることができるだろう。

「確かにどのような状況でも業績を挙げる人はいるが、大抵の人は、自分の強みと組織の優れた点が一致したときにこそ真価を発揮できるものだ」とハリスは述べている。

面談を終える前に、マネジャーとしてのあなたについてのフィードバックを部下に求めることも忘れないようにしよう。「組織として向上し、あなたの優れた仕事をサポートし続けるには私は何をしたらよいですか」などと質問してみよう。

これは、ハリスの言葉を借りれば、「部下が目標を達成するうえでの協力者であることを伝える」行為にあたり、非常に大切なことである。「部下と会社との結びつきを一層強めるうえでも役立つ」ともハリスは指摘する。

最後に、できる部下へのフィードバックはたびたび行うことだ。ハリスも、優秀な部下にはあまり干渉したくないなどと思ってはならないと忠告している。

「優秀な業績を挙げている部下ほど、頻繁にフィードバックを行うべきだ」と彼は語る。

年1回の面談の機会などを待っていてはいけない。優秀な社員のたゆまぬ教育は、上司のためにも会社のためにも最優先されるべきことの一つなのだ。

(翻訳=ディプロマット)