【ラジオ波焼灼療法】
手術が難しいがんで手術に迫る効果

E.RFAシステム(ボストン・サイエンティフィック・ジャパン)。ニードル(電極)で腫瘍を加熱する

E.RFAシステム(ボストン・サイエンティフィック・ジャパン)。ニードル(電極)で腫瘍を加熱する

手術や放射線治療などの局所療法はますます体に優しい方法にシフトしている。04年肝臓がんに保険適用されたラジオ波焼灼療法(RFA)は、皮膚を2~3ミリ切開して、がん病変に直径1.5ミリの電極を挿入し、電極周囲をラジオ波で50度以上に加熱してがん細胞を殺す方法(写真E)。

RFAの利点はキズが小さく、全身麻酔の必要がないことだ。治療時間も2時間程度で、術前検査、術後安静などを含め1~2週間の入院で済む。3センチ以下、3個以下、肝機能がそれほど障害されていないケースでの5年生存率は7割前後で、手術と比べて遜色がない。

RFA療法は現在、08年4月に導入された「高度医療評価制度」に基づく先進医療として手術が難しい肺がん、腎がん、骨がんおよび早期乳がんに対する治療が行われている。このうち、肺がんは転移がない3センチ以下であれば5年生存率は8割近くという報告もあり、手術や放射線に匹敵する治療成績が期待できそうだ。