ベッキーは5億円の賠償金を支払った

このケースとは全く違うが、少し前にベッキーというタレントが「不倫」をしていたことが文春でスクープされ、大バッシングを受けたことがあった。

彼女が出演していた番組やCMはなくなり、賠償金は5億円といわれた。

彼女は騒動の後、テレビから姿を消したが、少しずつ復活して、プロ野球・巨人軍の片岡治大コーチと結婚もした。

最近、彼女がその当時のことをメディアに話しているが、そこで、5億円の賠償金は、事務所が払ってくれるといったが、彼女はそれを断り、自分の積み立てていたおカネを出したといっている。

5億円ものカネを払えるというのも凄いと思うが、噂されていたように、CMや番組への賠償金の話は事実だった。

沢尻も違約金を払うとなると、無一文からではなく、人生をやり直すためには、莫大な借金を抱えたところから始めなくてはならないのである。

どちらにしても、逮捕されただけで即有罪という印象を植え付け、視聴者が反発することを闇雲に恐れて、番組を放送しなかったり、代役を立てたりすることは、視聴者のためではなく、自らの保身からだということをNHKを含めたメディアは自覚したほうがいい。

新人女優としては順調な滑り出しだったが…

しかし、沢尻エリカという女性は哀れな女である。彼女の周りには、まともな人間が少ない。それこそが彼女の最大の不幸である。

沢尻は東京生まれで、父親は日本人、母親はアルジェリア系フランス人。子供の頃は乗馬やピアノを習い、競走馬を数十頭所有していたというから裕福だったのであろう。だが、中学の時に父親を病気で亡くし、次兄も交通事故で亡くしたという。おそらく母親が一家を支えてきたのであろう。

険はあるが、類稀たぐいまれな美貌に恵まれ、2002年に「フジテレビビジュアルクイーン・オブ・ザ・イヤー2002」に選出されている。彼女が16歳の時である。

その後、テレビドラマや映画に出て、2005年、井筒和幸監督の映画「パッチギ」で在日の少女を演じて、多くの賞や新人賞を受賞している。

同じ年、フジテレビ系のドラマ「1リットルの涙」で初の主演に抜擢され、第43回ゴールデンアロー賞の新人賞を受賞している。2006年にはKaoru Amaneという名で歌手デビューも果たした。

オリコンチャートで2週連続で第1位を獲得し、女性アーティストとしては初めて、初登場から5週連続TOP3入りを成し遂げている。新人女優としては稀に見る順調な滑り出しである。

だが「パッチギ」は在日朝鮮人の少女、「1リットルの涙」は脊髄小脳変性症を発症して、若くして亡くなってしまう役と、ともに陰のある女性を演じている。