給与は業界最高水準、墜落事故0件、ずっと黒字経営……

サウスウエスト航空は、人件費を削減しない。給与は業界最高水準で、従業員満足度も高い。9.11で航空業界が一斉に人員削減した時でも、解雇しない方針を貫いた。だから、従業員は安心して働ける。さらに社員は自社の株も持っている。これにより高い従業員ロイヤルティを生み出している。

その結果、創業して40年以上経過しても墜落事故は0件。顧客への判断・行動はすべて現場従業員に任され、定時出発のために操縦士やCAも掃除や荷物運びなどを行う。

会社に対して高いロイヤルティを持ったサウスウエスト航空の従業員は、乗客に楽しんでもらおうと常に考えている。サプライズで乗客の誕生日を盛大に祝うことも多い。これが高い顧客満足度を生み出している。従業員と顧客の絆で、顧客の共感と愛着を生み出しているのだ。

こうして競争が激しい航空業界で、サウスウエスト航空は40年以上連続して黒字経営を続けている。その収益も従業員に分配する。よい循環が回っているのだ。

従業員を幸せにすることが、会社を発展させる

そもそも顧客は、会社が思うとおりにコントロールできない。しかし従業員に対しては、会社は幸せに働ける環境を作ることで、働きかけることができる。

従業員を幸せにすることが、会社を発展させる原動力なのだ。従業員が幸せに働けるようにすることで、高い顧客満足を生み出し、高い収益を実現できるのである。

さらに現代では、多くの業界が「サブスク型」に移行するなどしてサービス化している。だからこそ、高い従業員満足を生み出し、高い顧客満足につなげることが、多くの業界でますます重要になっているのである。

そもそもノルマとは何のためなのか、いま一度考えてみるのは決してムダではない。すべてのノルマが悪いのではない。会社として、目標を設定することは大切だ。しかし、目標達成のために高すぎるノルマを個人に与え、手段を選ばずに達成させようとするのが問題なのだ。

ノルマは顧客のためではなく、社内の仕組みを回すためだ。冒頭の友人のように、身内に販売しなければ達成できないノルマは、一休の榊社長が言うとおりその目標自体が間違っている。

目標達成のための努力はもちろん大切だ。しかし、その努力は顧客のために向けられるべきだ。ムリなノルマ達成のために向けられるべきではない。

誰のためのノルマか、いま一度考え直してほしい。もしかしたらそのノルマは、存在自体が間違っているかもしれないのだ。

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