時間節約のために準備を念入りに

冒頭のテレンスに対し、会社が会議の準備と通知をきちんと行っていたら、彼は、自分が気にかけていた問題について、自分の出席が実際に役立っていたはずの会議を逃しはしなかっただろう。

例えば、秘書が経営幹部会議の議題をよく考え、きちんとした議事次第を作成していたならば、テレンスの出席が必要であるという考えが浮かんでいたかもしれない。実は彼は、逆の決定につながったはずのコストデータと調査結果を持っていたのだ。

たとえ、会議に呼ぶのを忘れていたとしても、秘書が事前に会議の進行を管理職全員に配布することにしていたら、テレンスは議題を知ることができただろう。彼は自分が出席できるよう働きかけることができただろうし、少なくとも上司にメールで情報を知らせることはできていたはずだ。

自分が会議の開催や進行に責任を負っている場合、準備に30分~1時間はかけるべきだとストライベルはいう。事前に正確な時間配分を意識した議題を配布し、必要な参加者を招集しよう。また、会議が自分の担当とは関係ない問題に向かったときは退席してもかまわないということを、出席者に知らせておく。

周到な準備は、予想外の決定につながることも。「そもそも会議を開く必要はないことに気づくかもしれない」と、ミケールは主張する。

出席者がわき道にそれるために、会議が無駄に長くなることは珍しくない。そこで、会議をできるかぎり短く、かつ効率的にできるいくつかの方法がある。

まず、議題と関係のないアイデアに対しては「一時預かり」にすることだ。次回、もっと適切な機会に検討できる(もしくはできない)考えやアイデアを、ボードかメモ用紙に書きとめるようにしよう。

もったいぶった話し方をする人やしゃべりたがり屋は、議題からそれなくても会議を妨げることがある。彼らは時間を使い尽くすだけでなく、よい意見を持っているのに多弁ではない出席者を締め出してしまうこともある。長談義を打ち切らせるためには、進行役が丁重に遮ること。さらに消極的な出席者に発言を促せば、全員を参加させることができる。

出席者すべてに意味のないおしゃべりの時間を与える会議もあると、ストライベルは指摘する。あなたのチームの会議でそれが習慣になっているとしたら、すぐにやめさせよう。「会議の出席者全員を満足させようとしたら、それだけで1時間はつぶれる」と、ストライベルはいう。