どんなに立派な資料でも、伝わらなければ意味はない。IT業界屈指のプレゼンテーターに、プレゼン本番直前に点検できるチェックポイントをきいた。

下を向かせないために、資料は配らない

プレゼンを成功させるには、最初の20秒から3分の“つかみ”がとても重要。そのために、事前に相手のことを知っておきましょう。私は本番直前まで、ツイッターでお客様の名前、社名、地名を検索します。ツイッターは他のSNSや検索サイトより、新鮮なニュースをピンポイントで探すのに便利。地名から近くの施設や飲食店の情報を集めておき、「近くの○○って店、魚料理が美味いみたいですね」などと振ると、「よく知っていますね」とその場の空気がほぐれます。相手との共通項があれば、距離が一挙に近づきます。

日本マイクロソフト業務執行役員 西脇資哲氏

“いじりやすい”のは見た目、服装、持ち物です。相手が傘を持っていれば「雨が降ってきましたか」。時計やネクタイもいい。やってはいけないのが、相手の体調や内面に関するいじりです。

プレゼンが始まってからは、最初はゆっくり話すのがコツ。できるだけ、わかりやすく短い言葉で展開していきます。相手がスピードに慣れてきた頃を見計らって、後半に向かってスピードを上げていくようにします。スピードアップするタイミングは、相手の相づちの数が多くなってきた頃です。

会場での「突発的な事故」「段取りの悪さ」には絶対に注意してください。コネクタが繋がらない、電源・無線が入らない、プロジェクタの接続が上手くいかない等々で手間取ると「こいつ自信がないな」「言っていることは大丈夫か」などと信頼度が下がります。開始時間にスムーズに始められるよう、余裕を持って対応してください。