バーゲン品や中古品を仕入れているわけではない
【天沼】日本最大のクリーニング事業者であるホワイト急便も私たちの株主。ホワイト急便には社内に「エアークローゼット室」という部署があって、倉庫に常駐しています。返送された洋服は、検品後、ホワイト急便のクリーニング工場できれいにして、また倉庫で管理されます。
【田原】服はどれくらい持ちますか。
【天沼】家庭で洗濯するよりダメージが少ない洗い方をホワイト急便と一緒に開発しているので、貸し出し回数でいうと、15~20回でしょうか。
【田原】服は流行遅れになるという意味でも寿命があるんじゃないですか。
【天沼】そうですね。まずスタイリストが選ぶかどうか。そしてお客様に着ていただけるかどうか。この2つのフィルターにひっかからなかったアイテムは外して、棄却などをすることになります。
【田原】耐久性にしろファッション性にしろ、無限に貸し出せるものではないとすると、仕入れ価格を抑えないと利益が出ないんじゃないですか。
【天沼】よく「コストを下げるためにバーゲン品や中古品を仕入れているんじゃないか」と誤解されるのですが、品質やファッション性が下がると、スタイリストに選ばれなくなって洋服が無駄になります。まずスタイリストに選んでもらえるアイテムを集めることが、利益を出すうえでも重要な命題になります。
【田原】いま会員数は何人ですか。
【天沼】無料登録も含め登録ユーザーは15万人です。
【田原】会員はどうやって集めたの?
【天沼】序盤はさまざまなメディアで注目されたことが大きかったですね。広告は打っていなかったのですが、普段着に特化して、なおかつ月額制で借り放題という形のレンタルサービスがこれまで日本になかったので、報道メディアでいろいろ取り上げていただけた。おかげでサービス開始の準備期間で2万5000人の登録がありました。
【田原】エアークローゼットが日本初ですか。後発はどうですか?
【天沼】いまは10近くのサービスが出てきています。