今年も2月1日から東京都・神奈川県の私立中学校の入試が始まった。最近のトレンドは「午後入試」と「当日発表」。このため「1日2校受験」が当たり前になっている。なかでも東京都市大学等々力中学校では、15時から18時すぎまで入試を行い、当日23時ごろには合格発表を行っている。どんなカラクリがあるのか。中学受験塾代表の矢野耕平氏が、その採点現場を取材した――。

採点現場に潜入 大量の答案用紙をどう処理しているのか

静まり返った教室。聞こえるのは教員たちが赤ペンと青ペンを交互に走らせる音だけだった――。

東京都・神奈川県の私立中学の入試が始まった2月1日の午後4時。同日午後3時から入試を実施している「東京都市大学等々力中学校」(世田谷区)の採点現場にわたしはいた。本来、部外者の立ち入りは厳しく禁じられているが、わたしは中学受験塾の代表として以前から採点作業の実態に関心があり、取材の機会をうかがっていた。そして今回、プレジデントオンラインでの記事掲載を前提に、同校での取材・撮影が実現した。

(左)東京都市大学等々力中学の校舎内。がらんとした廊下。この中で入試がおこなわれている。(右)子供が試験中、保護者は控室に。一番前に試験問題が掲示されている。
▼いまの中学受験生は「午後受験」が当たり前

昨今の中学受験のトレンドは「午後入試」「当日発表」である。「午後入試」とは、「午後からスタートする入試」のこと。午前中に入試を終えた受験生たちは、昼食後、別の学校へ移動してもう1本の入試に挑む。特に2月1日、2日の2日間に午後入試を実施する学校が増えており、イマドキの中学受験生は「1日2校受験」が当たり前になっている。

《参考 2月1日に午後入試を実施している東京・神奈川の代表的な学校》
[男子校]

足立学園、東京都市大付属、鎌倉学園など
[女子校]
跡見学園、江戸川女子、大妻多摩、大妻中野、恵泉女学園、品川女子、実践女子学園、十文字、女子聖学院、東京女学館、中村、三輪田学園、カリタス、清泉女学院、聖園女学院など
[共学校]
桜美林、開智日本橋、かえつ有明、国学院久我山、駒込、淑徳、青稜、東京都市大等々力、東京農大第一、東洋大学京北、広尾学園、三田国際学園、明治学院、八雲学園、安田学園、日本大学、桐蔭学園など。