採点現場は無音だが、熱量が空間に充満

試験終了は18:10だが、実は採点作業は1科目が終了した15:50から始まる。ある教室に構えられた採点現場に461人分の答案用紙が続々と運び込まれてくる。それを、1枚ずつ、1ページずつ、1項目ずつ、正確に◯と×を付けていく。

「採点作業の中心を担うのは、各科目8~10名の専任教員です。それに加え、15名ほどの非常勤講師が各科目に散らばり、記号問題の処理や得点集計作業などを行います」

(1)子供たちの答案が試験会場から採点現場に持ち込まれた。(2)国語採点現場の端に並べられているPC。ここに子供たちの得点が入力される。(3・4)採点に一番手間取る国語科の様子。

とりわけ採点に時間がかかるのは国語である。同校の国語は選択式のほかに「記述問題」がいくつかある。そのため、子どもたち一人ひとりの解答を複数の教員で採点しなければならない。二瓶教頭は言う。

「たとえ採点に時間がかかっても、わたしたちの学校の『教科観』を入試問題に反映したいのです。たとえば、国語では記述問題を必ず入れる、社会では統計資料を盛り込む、理科では実験についての問題を出す……ということです」

その記述問題と格闘している国語の採点現場。部屋の片隅には教員のために用意された軽食が並んでいるが、誰も手をつけない。答案用紙に教員の全神経が注がれているのが伝わってくる。無音の世界だが、熱量が空間に充満している。教員たちが手にするのは赤ペンと青ペン。おそらく赤ペンで最初の採点を終えたあと、その再確認のため今度は青ペンでもう一度採点するのだろう。そして、ときどき誰かが声を発する。記述において「別解」として認められるか否かの相談をしているのだ。