そもそも、政治家には、専門用語や業界用語を多用して、自分の能力の高さをアピールする人が多い。選挙でそれを有権者向けに「翻訳」するのは業者の仕事だったが、特にネット広報については、若者の感覚を政治家自身が学びながら発信していくことになるだろう。

政治を変えていくために、若者の投票率を上げることが重要なのは間違いない。しかし、いくら「投票に行くべき」と主張しても、旧態依然の選挙では興味を持つのは難しい。若者が政治活動や選挙運動に直接関わっていくことにより、政治や選挙のスタイルが大きく変わり、そこで同世代が参加しやすい土壌を作ることができるのだ。その可能性が見られた衆議院選挙だった。

高橋茂(たかはし・しげる)
ネット選挙コンサルタント。1960年、長野県上田市生まれ。電子楽器のエンジニアだったが、2000年に長野県知事選に関わったのを機にインターネットと政治の世界に。02年、政治家がネットを使って情報発信するツール「ネット参謀」を開発。議員や政治団体などのサポートやネットメディアのコンサルティング、講演、執筆など多方面で活躍し、「デジタル軍師」の異名を持つ。選挙情報データベースサイト「ザ選挙」の立ち上げ人。著書に『マスコミが伝えないネット選挙の真相』など。VoiceJapan代表取締役、世論社代表取締役、武蔵大学非常勤講師。
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