もう一つ東進の指導の特長が、東進卒業生のOB・OGが後輩である生徒の指導にあたる担任助手制度です。

これは、私の故郷の鹿児島に、江戸時代から伝わる集団教育システム「郷中教育」をもとにしています。郷中教育とは年長者が少し年少の子どもたちを教える仕組みです。子どものころから年少者を教えることで人を指導することを学び、また年長者の行いを見て、自分の関心やリーダーの資質を知るようになります。

東進の担任助手は、東進で志望校合格を果たした大学生の先輩です。年齢の近い兄貴分・姉貴分とディスカッションしたり、アドバイスをもらうことで、1年後、2年後の自分を想像することができ、今何をすべきかを自ら導けるようになります。

また、受験生は互いにライバルであっても、実は切磋琢磨する同志でもあります。大人は教えるときに答えを教えてしまいますが、生徒同士で教え合えば、ディスカッションが始まります。大人に答えを教えてもらうより、生徒同士、議論、討論して、答えを導き出す経験を経て、その子には腑に落ちるという感覚が持てるようになる。その感覚が知識となる瞬間なのです。

短所矯正型教育の限界

このように、次代のリーダーを育成するために人間力を育む教育を行っているからこそ、東進から多くの難関大現役合格者を輩出することができるのだと考えています。

リーダー育成のためには今の日本の「短所矯正型」の教育では難しいと痛感しています。現在の日本の教育は、英語、数学、国語、理科、社会など総合的、平均的に学力を付けさせることにとらわれ過ぎていると感じます。これでは、苦手な科目を集中してやらされるので、興味や関心の広がりがなく、得意分野もせいぜい受験問題で満点をとる程度の力しか身に付きません。

これと逆の考え方が、「長所伸長型」の教育です。例えば数学が得意な子には、さらに数学を伸ばすように教えている。不思議に思われるかもしれませんが、こうした教育を受けた子は、数学以外の教科もどんどん伸びるようになります。

数学が得意になればなるほど、勉強自体が楽しくなり、興味が横に広がっていき他の教科にも前向きに取り組むようになります。

もっと知りたいという知的好奇心から、あらゆる文献を読むようになると読解力がつきます。海外の論文まで読み解こうと英語も理解していき、情報収集力はけた違いに増していく。もちろん情報の取捨選択もできるようになります。