「いつ勉強するか」子どもの“忙しさ”別の決め方

【5:いつ、どれぐらい勉強するか ルールを決める】

先に述べたように、机に向かうという子どもに「不自然な行為」を求める以上、最初のうちは一定のルールを親が子どもと相談して決めることが必要です。その後、親とのルールのいらなくなる「自ら」決める状態を目指します。

重要なルールは、「時」です。いつ、どれぐらい勉強をするのか、ということです。

労働時間制度になぞらえると「固定時間制度」「フレックスタイム制度」「裁量労働制度」のどれに近い形をとるかということです。わが子の個性と生活スタイルに合わせ、どの選択が正しいか親もいっしょに考えてます。

「固定時間」が合うのは、曜日によって帰宅時間などがぶれないお子さんの場合です。同じ時間に同じように机に向かえるので、最も早く習慣化ができます。また、気分によってやる気が左右されやすいお子さんの場合も、はっきり時間が固定していた方が習慣化しやすいでしょう。

「フレックスタイム」が合うのは、この逆の場合です。ある曜日は自分の時間がたっぷりあるけど、ある曜日はほとんど自分の時間はない、というお子さんの場合です。習い事などが多くある場合、こうなりがちです。机に向かう時刻も勉強時間も、ある程度柔軟に設定する必要があります。自分で考えるのが難しいお子さんの場合や、やる気にぶれの出やすいお子さんの場合、この時間管理のアドバイスや声かけを親がしてあげるのが賢明でしょう。

そして「裁量労働制」が合う場合。これは、もう「自ら机に向かう習慣」が身についている子どもです。自分でやるべきことの管理ができ、こちらが指示する必要のない、ルール不要の状態です。最も理想的ですが、「それができるなら苦労ない」ので、今回は取り上げません。最終的に、中学生までにここを目指します。

自ら机に向かってもご褒美をあげてはいけない

【6:ご褒美も叱責もいらない すべては自分のため】

冒頭でも少し述べましたが、そもそも子どもが「自ら机に向かう習慣」を身に付けるべき理由は何かと言えば、「自分のため」以外にありません。親を喜ばせたり納得させたりするためのものでは決してないのです。

ですから、親は机に向かっているわが子を無条件に褒めればいいというものではありません。前出のベネッセの調査では、ふだん子どもとどんな関わりをしているか保護者に聞くと、1位は「勉強を頑張っていれば褒める」(小学生の親92.8%、中学生の親89.3%)だった。もちろん、適切に声をかけ褒めることは悪くありません。しかし、ご褒美のおやつやゲームの時間は、一時的に効果は出ても、本来の目的とは全く離れます。もちろん、逆に、しかってなだめすかして何とかやらせても、やっぱり目的から外れます。