社員の報酬も年齢に関係なく、本人の実力に応じて決まる仕組みだ。同社の給与体系は職責と役割に基づく10段階のグレード給(月給)と業績を反映した賞与で構成される。グレードの「昇格」と賞与は評価によって決定されるが、スーパーバイザーまでは店長と同様に面接と筆記による試験が課され、合格すれば昇格と同時にグレード給も上がる。

評価は行動評価と業績評価の2つに分かれ、行動評価は「グレードごとに要求されるマネジメント能力、全社への影響力、会社の改善についての情報発信力などの各項目についての総合評価を行う」(柚木執行役員)仕組みである。業績評価は売り上げ、利益、人材教育などの評価項目に基づいて査定される。評価は半年に1回行われ、昇格のチャンスが年に2回あるだけでなく、評価結果しだいでは2階級“昇格”もある。半面、降格もあるなどアップダウンも激しく、社員は日々実力の発揮が問われる。会社はチャンスを提供するが掴みとるのは個人の責任という考え方がここでも貫かれている。

前述したように店長を経験しても必ずしも店舗営業系の世界を歩くだけではなく、様々な職種・職場で活躍できる道も用意している。

「本部のいろんなセクションをはじめ海外で働くこともできれば、ファーストリテイリングのグループ企業の中で活躍することもできます。いろんな経験ができるということが個人の成長につながりますし、社員にいろんな選択肢を提供することを会社の方針としています」(柚木執行役員)

社内インターン制度で他部署を1カ月体験

自らの希望により好きな部署に異動できる仕組みの1つが年2回実施している社内公募制だ。社内イントラネット上で公開される各部署の人材募集に応募し、レポートと面談により合格すれば異動できる。さらに今年から社内の人材交流を活性化すべく導入した仕組みが、「社内ローテーション制度」と「社内インターンシップ制度」である。