ご存じ、『ゴーマニズム宣言』の小林よしのり氏と、東大教授の井上達夫氏が一冊丸々、論戦を繰り広げた本である。井上氏は法哲学者で、最近では『リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください』という語り下ろしの本が好評を博した。日本国憲法の九条削除論などでも知られている。

本書は、保守の小林氏とリベラルな井上氏の思想の差異を明らかにする趣旨で組まれている。通常、保守やリベラル概念の解説本では、何が「真正の保守」か、といった説明が主体になる。何が正しい価値観で、何がそうでないのかを丁寧に解説することで、あなたも立派な保守やリベラルになれるといったふうにだ。

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