東京都制度を徹底研究しブラッシュアップ

最近、都政改革本部の上山信一さんと大阪維新側(大阪維新の支持者を含む)がちょっとしたことで揉めていた。きっかけは大阪維新側が小池百合子知事の政治姿勢や東京都政改革にいちゃもんをつけたこと。僕も政治家時代には自称インテリから「言いっぱなし」の無責任な批判をよく受けたから、上山さんが怒る気持ちはよくわかる。

ただ、売り言葉に買い言葉だろうが、上山さんは今度は「大阪の改革なんて東京では意味がない」と言い出した。さすがにそれを言われたら僕がやってきたことの全否定にもなりかねないので、今度は僕が反論する。

結論から言って、大阪の改革は東京の改革にもつながり、そして日本の改革にもつながる。それは大阪でやった個別改革や個別政策のことではない。結局、大阪都構想なんだよね。大阪都構想は東京都制度の問題点を徹底的に研究して、東京都制度をブラッシュアップしたものなんだ。

豊洲の問題、オリンピックの問題を見るにつけ、これはやっぱり東京都制度という政治・行政の仕組みに問題があるんだなと確信した。知事・都議会議員個人や都庁幹部個人だけの問題ではない。誰かとんでもない大悪人がいることだけが原因でもない。政策だけが悪いわけでもない。結局、政治・行政の仕組みの問題だ。今の東京都制の仕組みでは誰が政治・行政をやっても今回のような問題は起きてしまう。

都制度自体は、大都市にとって必要不可欠だ。これは道府県制度とは少し異なる政治・行政制度。しかし今の東京都制度には問題が多過ぎる。それを乗り越えるのが大阪都構想なんだ。東京都制度を徹底的に研究して、それをブラッシュアップした都制度が大阪都構想。

東京は今から約75年前、1943年に東京府と東京市を合わせて東京都を作った。大阪も75年遅れで、大阪府と大阪市を合わせて大阪都を目指そうとしたけど、どうせやるなら今の東京都制度を乗り越えたものの方がいい。だから75年遅れている大阪が、一気に東京都制度を追い抜かすために考えたのが大阪都構想なんだ。ゆえに東京都制度を解決する糸口は大阪都構想にある。

そしてこれは日本全体の行政機構改革、統治機構改革にも通じる。今の日本が立ち行かないのは個別の政治家、個別の政策、個別の改革が悪いからだけではない。根本のところには、行政機構、統治機構というシステムにもうガタがきているという現実がある。今の日本の行政機構、統治機構は、約150年前の明治維新以来、システムの作り直しをやっていない状態。ハードシステムにガタが来れば、いくら最先端のソフトでもうまく作動しないのと同じ状況。

大阪都構想には行政機構改革、統治機構改革のエッセンスが詰まっている。大阪都構想は、東京都制度の作り直しにも、日本の行政機構、統治機構の作り直しにも応用が利く。

このように、東京大改革の中身は個別の政策や個別の改革ではなく、実のところは都庁と都議会の作り直しなんだ。

現在の小池さんがいくら頑張っても、永久に知事をやるわけにはいかない。小池グループが一時期議席を確保しても、それも永久に続くわけではない。そうなったときに今の都庁、都議会の仕組みのままでは元の木阿弥、小池知事前に戻ってしまう。そうならないように制度として都庁と都議会を作り直す。都制度の抜本的な見直し、作り直し。これこそが東京大改革の中身だ。

小池さんは都「政」改革を進めているが、今の段階では、東京大改革の中身が定まっていない。何となくの改革の雰囲気だけで押している。このやり方だと必ず行き詰まる。

日本の大改革を進めるためには、東京大改革が必要だ。そして東京大改革のためには大阪都構想の思想が必要になる。都「政」改革だけでなく都「制」改革。このような意味で、「大阪の改革は東京の改革に必要ない」という上山さんの主張は、売り言葉に買い言葉だとしても間違いだ。

※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.40(1月31日配信)からの引用です。全文はメールマガジンで!!

橋下徹公式メールマガジン 好評配信中!Vol.41は2月7日配信予定
政界に突然彗星のごとく現れた男は、大阪の何を変え、誰と戦い、何を勝ち得たのか。改革を進めるごとに増える論敵、足を引っ張り続ける野党との水面下での 暗闘をメルマガ読者だけに完全暴露し、混迷が続く日本経済、政界の指針を明確に指し示す。政治家、弁護士、そして、7人の子どもを持つ親として、読者からの悩みごと、相談に、ズバリ答えていく。大物との対談も掲載!