統治機構改革はわれわれの「一丁目一番地」

【塩田】維新の会はおおさか維新時代の3月26日に独自の改憲案を発表しました。地方自治の章の全面改正を含む統治機構改革、保育園・幼稚園から大学までの全教育の無償化、憲法裁判所の新設が柱ですね。

【小沢】この案は基本的に橋下さんのアイデアです。われわれはこの3つだけで進めたいと思っています。道州制実現を含む統治機構改革はわれわれの「一丁目一番地」の話です。時代の変化に合わせた改革が必要です。教育の無償化は今の格差の時代にとって重要で、生活に直結する話です。憲法裁判所も、安保法制が違憲か合憲かという議論などで、どこかの時点で結論を出さなければ、という意味で実務的に必要な話です。国民の皆様に理解していただけると思います。一般的に、一番、議論に上っているのが、危機管理の非常事態条項でしょう。

【塩田】維新が唱える改憲構想と、安倍首相や自民党の改憲プランとの間には、大きな距離があるように思えます。維新の改憲の3つの柱に、安倍首相や自民党が関心を寄せるとは思えません。霞が関の中央省庁の強い抵抗も予想されます。自民党が一緒になって維新の改憲案に反対する可能性もあります。各党協議がまとまらない事態も考えられます。

【小沢】それはそれでいいと思います。テーマの議論に入れるかどうかが重要です。われわれは今、他のテーマにはいっさい言及しないで、このテーマですと言う。各党がそれぞれテーマを出して、それを土俵に乗せる形に持ち込みたい。

【塩田】土俵に乗って、維新の案が一つも取り上げられないといった展開となった場合、土俵から降りたりはしませんか。

【小沢】しません。われわれは必要と思うことは賛成するし、駄目と思うことは反対する。土俵から降りることはしません。

【塩田】公明党は「加憲」を唱えていますが、土俵に上がると思いますか。

【小沢】私が今まで衆議院の憲法審査会でやってきた感覚で言うと、加憲に関しても、それほど切迫性を感じていませんね。「加憲」の事項で、最初は環境権を言っていたんですが、憲法審査会でヨーロッパ視察を行って、環境権を入れると、難しい問題があるとわかって、公明党は、慎重にやりたいという言い方になった。強いメッセージはないですね。

【塩田】民進党の対応も気になります。党としてまとまって行動ができるかどうか。党内がばらばらでも、国会での改憲案発議の議決のときは、党議拘束をかけるのでは。

【小沢】それはそうでしょうね。民進党には、憲法について、一つは「蟻の一穴論」があるわけです。緊急事態条項でもいいけど、憲法改正を1回やれば、一気に話が拡大していくから、指一本触れさせるなという議論で、旧社会党系の人たちに多い。一方、野田佳彦幹事長が衆議院の本会議場で、時代の変化に合わせて必要なら憲法改正もと思っていると言っていましたけど、われわれと同じことを言っているとつくづく思いました。両方の意見がありますが、一つにまとめられるかどうかは、わからない。