中国やインドなどの新興国は、今後の成長が期待できる

「これだけ損をすると売るに売れない。カミさんには大切なお金なのに『どうするのよ』と毎日責められるし……。ホント、胃が痛いですよ。幸い預貯金の400万円は残ったので、子ども2人の教育費は助かった。教育費まで突っ込んでいたらと想像すると背筋がゾッとしますね」

Aさんは、ファンドをこのまま保有し続けるべきか。浅井さんは、

「中国やインドなどの新興国は、日本と違い、今後の成長が期待できる。株価も今は下がっていても将来は上がる可能性が高い。新興国が成長すれば資源価格も上がる。このまま保有して、積み立ても続けるべきです」

とアドバイスする。

では、日本の個別株で損をしている人の場合は、どうすればいいのだろうか?

投資で失ったお金は、金利の低い預貯金では取り戻せない

「株を保有するべきか、すぐさま売却して現金にすべきかは、個々人の価値観によります。ただ、投資で失ったお金は、金利の低い預貯金では取り戻せない。今後は個別の株を買いながら、『マーケットニュートラル型』という日経平均株価などの先物を売り、利益が得られそうなファンドを狙うべきです。相場が好転したら、新たな投資を始めるといいでしょう」

この2人の場合、長く保有できる商品を選んだのが幸いした。

安全な預貯金の資産を保有するだけでは、目減りするばかりだが、積極投資はさらに注意が必要だ。“自己責任”のマネー感覚が今こそ問われている。

(文・構成=大山弘子)