PANA=写真
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民主党税制調査会長 藤井裕久(ふじい・ひろひさ)
1932年、東京都生まれ。55年東京大学法学部卒業後、大蔵省(現財務省)入省。77年、参議院初当選。2度の大蔵大臣を経て、2004年民主党幹事長、07年より現職。


 

2005年のいわゆる郵政選挙で敗北して以来、2回引退宣言をし、いずれも撤回して復帰、現在も要職にある。民主党にとっては捨てがたい人材のようだ。エリート中のエリート大蔵省主計官から1977年政界入り、細川、羽田両内閣で大蔵大臣、鳩山内閣で財務大臣を務めた。財務省との太いパイプを持ち、79歳になった今でも、財政の知識は豊富だ。

小沢一郎氏が93年に政治改革を唱えて新生党を立ち上げたときから行動をともにしてきた。しかし、04年に民主党幹事長、代表代行に就任した頃から小沢氏が当時の代表、岡田克也氏と対立し、岡田氏側についた藤井氏を遠ざけるようになった。

そもそも小沢側近の中では異色のタイプ。読書家で政治の行方を歴史に学ぼうとする姿勢は、教養主義の薫りを残す。合理的な思考は、小沢氏への盲目的服従とは相いれない。あえて対立は好まず、面と向かって意見する我の強さはないが、周辺には「小沢氏は引退すべきだ」と語る。

政治改革の理念には共鳴したが、小沢氏とは違って議論を好み、常に若い世代のサポーターだ。だからこそ、岡田氏を擁護した。最近では野田佳彦総理の飲み相手だ。

野田氏の代表選挙出馬には慎重だった。「出馬しないと仲間が離れてしまう」と焦る野田氏に対し、「そんな仲間は離してしまえ」と諌めた。まだ長期政権を築ける時期ではないと見ているからだ。

党の税調会長として野田総理の増税路線を支える。反対論も噴出したが、それも織り込んでガスを抜き、落とし所を探る。財務省との二人三脚、と手法は古い老参謀。その老参謀が生涯現役であるという現状は、民主党の人材不足と未熟さを物語っている。