20代、研究者として緑内障の原因遺伝子「ミオシリン」を発見。30代、臨床医に軸足を移して手術の腕を磨く。そして40代、起業家として米国で「加齢黄斑変性」を治療する“飲み薬”の開発を目指す。そんな冒険的人生の持ち主が、アキュセラ・インクCEO、窪田良氏だ。著書『「なりたい人」になるための41のやり方』について話を聞いた。

「新しい経験」が成長のカギ

窪田良(くぼた・りょう)
アキュセラ・インク会長、社長兼CEO、慶應義塾大学医学部客員教授、医師・医学博士

1966年生まれ。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学院に進学。緑内障の原因遺伝子「ミオシリン」を発見。その後、臨床医として虎の門病院や慶應病院に勤務。2000年より米国ワシントン大学眼科シニアフェローおよび助教授として勤務。2002年、シアトルの自宅地下室にてアキュセラを創業。「飲み薬による失明の治療」を目指している。著書は他に『極めるひとほどあきっぽい』。Twitterのアカウントは @ryokubota 。
アキュセラ
http://acucela.jp/

著書は2冊目。「前回は自叙伝的。今回は誰にでも参考になるようなヒントを紹介できればと思って書きました」。

目次には、「まったくのゼロから『新しい何か』をつくる」「他人の目は気にしない」「少しずつ自分に負荷をかけていく」などの項目が並ぶ。「いくつかが読者に当てはまれば」と言うが、では、多くの読者に当てはまる「やり方」はなんだろうか。

こんな項目がある。

「経験したことがないことをやってみる」

実はインタビューでは、この「やってみる」という話に最も時間が割かれた。本では、高所恐怖症ながらメキシコの天然井戸に20mダイブした話を例に、「試してみなければ、そこにある(かもしれない)新たな価値には一生気づけない」と述べている。

「経験することに勝る学習はないと思います。通勤の道をいつもと変えてみる、真っ赤な洋服を着てみる。小さなことでもいい。新たな経験をすることが人間の幅を拡げます」

多くの人は「やってみる」ことの価値に気づいてはいる。ただし面倒くさい、勇気がないとかこつけて、「やってみる」ことをやらない。でも窪田氏はやる。どうしてか。

「新しいことを学ぶ喜びがあるからに尽きます。こんなことがあるんだと経験をすると、使っていない脳の回路がはたらくような刺激を感じます」