クボタ執行役員の石橋善光氏は農機国内営業本部長。月の半分は日本各地へ出張する。出張のない日は「会議が30分単位でぎっしり」(石橋氏)。成果を出すには会議の生産性を高める必要があるが、そのために何か心がけてきたことはあるのだろうか。

「会議で無駄なのは報告の時間です。13人から5分ずつ報告を受けると、それだけで1時間以上かかります。だから、会議での報告はなし。いきなり役員の質問からスタートします」(石橋氏)


(左)あいおいニッセイ同和損害保険 執行役員 近藤智子氏(右)クボタ 執行役員 石橋善光氏

会議を本題から始めるには、事前の情報共有が必須だ。クボタの営業本部会議では、会議で何か報告する人は3日前までに資料を提出。決裁権者である役員は当日までに資料を熟読して内容を把握する決まりになっている。

ほかの最年少役員も、部課長時代から会議の効率化を強く意識してきた。

「60分の予定の会議を15分で終わらせることも多い。自分が情報を100知る必要はない。要点さえわかれば、あとは部下に任せます」(大隈氏)「即決が基本。上司がサクサク決断すれば、部下の指示待ち時間が減って組織全体の仕事のスピードが上がる」(近藤氏)

現在、1日10~15本の会議に出ている山村氏は、混乱を防ぐためにこんな工夫をしてきたという。

「会議の合間に10分でも時間ができれば、フロアを歩いてメンバーと世間話をします。直前の会議と関係ない話をすることで頭の切り替えができるし、現場のコンディションを肌で感じることができて一石二鳥です」(山村氏)

退社時間は大隈氏と石橋氏が午後6時、近藤氏が午後7時、山村氏が午後8時と総じて早め。ただ、仕事はオフィスアワーの後も終わらない。公式な会議以外の場所での情報収集も重要な仕事の一つ。今回話を聞いた4人も、週に半分以上は会食して社内外の関係者と会っていた。