2016年3月6日(日)

悪い歯医者の見分け方、教えます【後編】

インプラント、予防歯科、高齢者治療……競争激化で進む「口腔破壊」

PRESIDENT 2014年12月29日号

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【悪徳歯医者からのアドバイス】

悪徳歯科医師であるタケシは、歯科医師の黄金時代にお金を儲けるだけ儲け、今では若い歯科医師を安くこき使い、自分は経営に専念している。他方、息子のヒロシは構造不況の歯科医業界で、父親の反対を押し切って独立開業した。ある日、タケシは久しぶりに息子ヒロシの歯科医院の前を通り過ぎて愕然とした。看板はボロボロ、患者は少ない、従業員には生気がない。息子のヒロシが心配になったタケシは、慌てて問題点を洗い出し、手紙でアドバイスをすることにした。(前編のつづきです)

ヒロシへ。

やっぱり運営方針を見直す気はないのですね。周りの同業者はみんなおまえのことを悪し様に罵ります。お父さんも正直腹が立っていますが、おまえも一人前の大人ですから、これ以上は言いません。ただ、おまえがそうやって下手な商売を続けていって、負け組歯医者になるのだけは見ていられないのです。

ところで、ヒロシの医院ではまだインプラントを行っていないようですね。それはいけません。事故がたくさん起きるので、インプラントにはすっかり≪【F】悪いイメージがついてしまった≫けれど、お父さんに言わせれば、それでもやっぱりインプラントは大切な治療法です。何と言っても、ほとんどが保険適用外ですごくお金になるからです。

価格競争や値下げ合戦のせいで、一時期ほどおいしい治療法ではなくなりましたが、お父さんには知恵があり、コツを知っています。ポイントは埋入するフィクスチャーに厚生労働省承認のものではなく中国からの輸入物を使うことです。本来4万円のコストがたったの3000円に抑えられるのです。完成度にかなり問題があるものも含まれているようですが、確率の問題です。日本製のものだって100%完璧とまではいかないのですから、安いほうで利ざやを稼ぎなさい。

▼解説
【F】悪いイメージがついてしまった
2007年の飯野歯科によるインプラント手術中の患者死亡事件をきっかけに、インプラントの危険性が注目され始めた。日本歯科医学会の12年の調査では、インプラントを実施する歯科医の4人に1人が、患者に神経まひなど重い症状を起こした経験があった。

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