さて、財形貯蓄には「財形住宅」「財形年金」「一般財形」の3種類がある。

財形住宅は、住宅取得を目的とするもので、申し込み時の年齢は55歳未満が条件。住宅取得やリフォームのために払い出せば利子非課税となる。

一方、老後資金準備を目的とするのが財形年金で、55歳未満が対象となる。60歳以降、5年以上20年以内に年金として受け取れば利子非課税となる。財形住宅と財形年金の上限は、合わせて550万円までだ(いずれも貯蓄型の場合)。

一般財形は、貯蓄目的や年齢制限がなく、金額にも上限がないが、利子非課税の特典はない。ただし他と違い、一部払い出しが可能で、自由度が一番高い。

これらの中で、40代が後回しにしがちな老後資金を準備しておくなら財形年金が最適だ。550万円を積み立てたとして、60歳の退職から65歳の年金開始まで5年間で受け取れば、年金額は月額9万円以上になる。解約は極力避けたいが、どうしても必要な場合は、利子非課税をあきらめれば全額解約も可能となる。

また、3つのうちどれで積み立てても、「財形住宅融資」「財形教育融資」が利用できる。財形住宅融資は、1年以上継続していて残高が50万円あることが条件だが、金利や手数料がネット銀行なみに割安な条件で借りられ、リフォームにも利用できる(例えば、財形住宅金融の融資利率は5年固定で1.42%)。勤務先によっては利子補給制度を設けていることもあるのでチェックしておきたい。

財形教育融資には積立期間の制約がなく、貯蓄残高さえあればその5倍まで、最高450万円を借りられる。もし半年後に子供の入学金が必要、といったとき、あわてて始めても何とかなりそうだ。国の教育ローンには年収に制限があるが、財形教育融資には年収制限がないのもメリット。金利は銀行で借りるよりはるかに安い。