時々、日本にも「腐ったトマト」があればいいのにと思うことがある。つい先日も、そう感じた。

えっ、どういうことか、ですって? トマトは鮮度がいいに決まっている? なぜ、わざわざ、腐ったトマトが欲しいのかって? いや、もう少し待ってください!

このところ、映画が面白い。特に、人工知能や宇宙など、文明の新しい潮流を扱った映画が面白い。映画を見るという習慣がすっかり復活して、熱心にあれこれ見ている。

新作だけでなく、少し前の作品も、インターネット上などで見られるようになった。

先日、あるコメディ映画を見た。監督は、数々の名作を世に送り出し、アカデミー賞にも輝いている人。そして、主演の2人は、ヒット映画に何度も出演し、その名前で客が呼べるとされている男優。

まずは「テッパン」の布陣で、大いに期待して見たのだが、実際にはひどかった。脚本がめちゃくちゃで、伏線の張り方も適当。最後の落ちも、「おい、マジかよ!」と、思わず声を上げたくなるレベル。

情けなかったのが、随所に挿入される、テーマに関係した(と思われる)歌。もっともらしく流れるが、完全に外している。ドン引きである。

見終わって、「いやあ、ひどかったなあ」と嘆息し、さっそく「腐ったトマト」を確認しに行った。えっ、冷蔵庫に行ったのかって? そうではありません!