なぜ、貧しい人に囲まれて生活すると豊かになるか

▼貯蓄額に影響を与える要因1「教育」

教育レベルについては、また項をあらためて解説しますので、結論だけ述べておきますが、教育レベルが高卒、短大、四大、院卒と上がるにつれて、貯蓄額はどんどん「減少」していきます。これは、年収の話ではなく、貯蓄額に影響を与えている要因です。

統計的な調査によれば貯蓄額は学歴が上がるにつれて、「増加」ではなく「減少」するのです。また、教育程度が高いと、買い物が増える傾向は女性に顕著に現れています。

教育レベルが上がれば上がるほど、「ステータス志向が強く、自己顕示や地位のための消費行動に走りやすく」「自分が属したいと思う上位の準拠集団についていこうと熱心」になります(「消費するアメリカ人」、ジュリエット.B.ショア著)。

▼貯蓄額に影響を与える要因2「準拠集団と比較した経済状態」

この教育レベルは、読者の方には既に変えようのない変数ですが、もうひとつの要因はこれからでも変えることが可能です。それは「準拠集団(家族や地域、職場など)と比較した経済状態」。これもまた、どうやって資産運用のための種銭を作るかに非常に大きな影響を与えます。

この統計によれば、準拠集団よりも自分の経済状態が悪い場合に貯蓄額は激減し、準拠集団よりも自分の経済状態が良い場合には逆に貯蓄額は増加するというものでした。そして、その影響は「教育レベル」や「扶養家族の人数」が貯蓄額に与える影響をも超えるとても大きなポイントでした。

これから言えることは、自分より貧しい人に囲まれて生活する分にはどんどん豊かになっていくけれども、自分があこがれていたり、こうなりたいと思っていたりする上位集団に囲まれて無理してついていけば、表面は華やかに見えても貯金はどんどん減っていくということです。

地位(じぐらい)の高い富裕層の多く住むエリアに住むのは、そこに住んでも余裕をかましていられるようになるまで待ちなさいということです。仮にタワーマンションに住むのであれば、そこの住人たちよりも自分の経済状態がずっと良いような物件を選びなさいということです。であれば、お金も貯まり、富裕層へ向けての種銭も自動的に増えていくのですから。

孟母三遷という言葉があります。

子供は周囲の影響を受けやすいので、子供の教育には環境を選ぶことが大切であるという教えですが、大人も貯蓄率などにおいて周囲の影響を受けやすいということが、統計的に浮き彫りにされているわけです。

今回の話は、「高収入貧乏」の人には身を切るように痛い統計結果だったと思います。そして、低収入だけど貯蓄額が多い人には福音をもたらしたでしょう。

他人に勝とうと思うその気持ち自体が自分の財政状態に危機をもたらす、ということを統計データは語っているのです。

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