なんとなく信頼できる印象を与える人と、そうでない人。心理学的な観点からみて、両者にはどのような違いがあるのだろうか?
周囲の人たちから信頼されるかどうかは、コミュニケーションの総量で決まる。三河屋商法と呼ばれる御用聞きが「何か足りないものはありませんか」と、毎日顔を出すのは、顧客とのやりとりを増やすためだ。毎日顔を出すから信頼され、注文が取れる。

人は接触する回数が増えるほど、その相手への好意も信頼も高まる。これは「接触理論」と呼ばれるもので、テキサス・クリスチャン大学のドナ・デスフォーゲスの研究で、「嫌いな人でもやりとりをした後には、偏見や差別の心が減る」ことが確認されている。さまざまな人種が集まる米国では、自分と異なる文化に対する偏見や差別がある。そこで、無理矢理にでも接触回数を増やすと好感を持たれるが、接触が少なく、「何を考えているかわからない」と思われると、嫌悪感を持たれるのだ。
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(構成=大山弘子)
