なんとなく信頼できる印象を与える人と、そうでない人。心理学的な観点からみて、両者にはどのような違いがあるのだろうか?

会話をするときにテーブルの上に手を乗せること自体も、相手に好意を抱かせる。なぜなら、文字通り「手の内を明かす」ことにつながるからだ。「手の内を明かす」は、秘密を明かす、正直になるという意味の慣用句だ。一方、「手の内を見せない」は、隠し事をしていること。事実、手が見えないと相手は不安な気持ちになる。

このような人間の体の一部を用いた慣用句を「ボディーターム」というが、これは、ほぼそのままの意味でとらえて構わない。相手に手のひらが見えるようにすると、「手の内を明かす」状態になり、話を信用してもらいやすくなる。アップルの創業者である故スティーブ・ジョブズが、手のひらを見せながら話をしていた姿を憶えている人も多いだろう。あの仕草には、意味があるのだ。

また、人は「腹を割って」話をすると、理解してくれ、信頼してくれるものだ。と言っても、本当に腹を割ることはできない。そこで、話をするときには、相手にへそを向けるようにする。動物がお腹を見せるのは降伏のサインだが、それと同じように、体ごと相手のほうを向くと、「隠し事はしていない」というサインになる。

会議のときなども、発表者のほうに体を向け、テーブルの上で軽く手を組み、手のひらを相手に見せながら、「なるほど」と相づちを打ちながら話を聞くと、相手は「興味を持ってくれている」と嬉しくなる。

これを実践していたのが、米国のクリントン元大統領だ。彼は、国民に話しかけられると、体ごとその方向に向けて応えていた。ところが、彼の妻であるヒラリー氏は、顔しか向けない。彼女が、国民からいまいち信頼されないのは、そのせいだろう。