2015年9月2日(水)

なぜ多国籍の経営チームが最強なのか

グローバルで勝負するための仕事作法【1】

PRESIDENT Online スペシャル /PRESIDENT BOOKS

著者
梅澤 高明 うめざわ・たかあき
A.T. カーニー 日本法人会長

梅澤 高明東京大学法学部卒業、マサチューセッツ工科大学(MIT)経営学修士。日産自動車を経て、A.T. カーニー入社。日米で20年にわたり、戦略・マーケティング・組織関連のコンサルティングを実施。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」コメンテーター。グロービス経営大学院客員教授。著書に『最強のシナリオプランニング』(編著、東洋経済新報社)など。クールジャパン関連の政府委員会で委員を務め、戦略の立案・推進で政府を支援。内閣府「税制調査会」特別委員。

A.T. カーニー 日本法人会長 梅澤高明
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経営のドリームチームをつくるなら……

あなたが世界に展開するコングロマリットのCEOになったところをイメージしてください。自社の各部門(マーケティング、技術、製造、IT)の担当役員を自由に決められるとしたら、どの部門にどんな企業で経験を積んだ人を選ぶでしょうか。

私なら、マーケティング担当役員に、ロレアル(化粧品)やLVMH(ファッション・酒類)などフランスの消費財メーカーでマーケティングの幹部を務めた人を選びます。フランスの高級ブランド企業は、ブランドの価値を高めてそれをお金に変えることが上手です。フランスにはラグュアリービジネス専門のMBAがあるくらいで、同等のクオリティの商品を世界で一番高く売る技術に関しては他の追随を許しません。

『グローバルエリートの仕事作法』(梅澤高明著・プレジデント社)

CTO(Chief Technology Officer)の候補は、米国発の先進企業で、技術・イノベーション担当を務めた人です。自社の中心となる事業分野が伝統的な製造業であれば、GEや3Mなどの技術責任者を招きます。一方、ITを中心に最先端技術をどんどん取り込むのであれば、グーグルなど西海岸のメガベンチャーから引き抜くでしょう。

製造担当副社長は、日本・韓国、ドイツ系企業の生産部門の出身者を探します。特に日本やドイツの製造業におけるリーダー企業は、長年にわたり生産技術の高度化と人材育成に投資を続けてきました。製造プロセスの高度化には、生産設備メーカーとの協働もかかせません。これらの国には世界的な産業機械メーカーも集積しており、その点でも一日の長があります。

CIO(Chief Information Officer)の有力候補は、TCS(タタ・コンサルタンシー・サービシズ)やインフォシスなどインドのIT企業出身者でしょうか。2000年代以降、インドはIT部門のアウトソーシング先として、世界中の大企業に活用されています。その結果、インド企業はどんどん力をつけて、IT分野の才能を世界に輩出しています。

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