2015年9月9日(水)

なぜ日本からグローバルエリートが生まれないのか

グローバルで勝負するための仕事作法【2】

PRESIDENT Online スペシャル /PRESIDENT BOOKS

著者
梅澤 高明 うめざわ・たかあき
A.T. カーニー 日本法人会長

梅澤 高明東京大学法学部卒業、マサチューセッツ工科大学(MIT)経営学修士。日産自動車を経て、A.T. カーニー入社。日米で20年にわたり、戦略・マーケティング・組織関連のコンサルティングを実施。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」コメンテーター。グロービス経営大学院客員教授。著書に『最強のシナリオプランニング』(編著、東洋経済新報社)など。クールジャパン関連の政府委員会で委員を務め、戦略の立案・推進で政府を支援。内閣府「税制調査会」特別委員。

A.T. カーニー 日本法人会長 梅澤高明
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ニューヨークに3年いても英語を話せないビジネスマン

私が働いていたニューヨークには、日本企業からやってくる駐在員の方がたくさんいました。その多くは、社内のエリートコースに乗っている人たちで、実際に能力も高かった。

では、彼らが皆グローバル人材と言えるのかというと、必ずしもそうではありません。なかにはニューヨークに3年いるのに、英語のレベルは心もとない人もいます。社内ではエリートでも、コミュニケーションスキルの点で海外の企業では通用しないレベルの人が少なからずいるのです。

『グローバルエリートの仕事作法』(梅澤高明著・プレジデント社)

このパターンにはまりやすいのは、海外に出ても日本人相手に仕事をしている「ジャパンデスク」と呼ばれる人たちでした。

たとえば日本の銀行や証券会社からニューヨーク支店に行ったとします。彼らのお客様の中心は、アメリカに進出している日本の事業会社の駐在員です。日本での関係をそのまま海外に移しただけなので、やっている仕事の内容や取引相手、使う言語も日本にいるときとほとんど変わりません。こうした環境で漫然と日々を過ごすだけでは、英語を流暢に話せるようにならないのも当然です。

グローバル展開する日本の一流企業に就職して海外赴任さえすれば、世界で通用する人材になれると考える人もいますが、それは間違いです。意思を強く持って、日本人コミュニティに依存せずに仕事をしていく努力なしにはグローバル人材になれないのです。

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