2015年9月16日(水)

なぜロジカルシンキングだけでは世界で通用しないのか

グローバルで勝負するための仕事作法【3】

PRESIDENT Online スペシャル /PRESIDENT BOOKS

著者
梅澤 高明 うめざわ・たかあき
A.T. カーニー 日本法人会長

梅澤 高明東京大学法学部卒業、マサチューセッツ工科大学(MIT)経営学修士。日産自動車を経て、A.T. カーニー入社。日米で20年にわたり、戦略・マーケティング・組織関連のコンサルティングを実施。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」コメンテーター。グロービス経営大学院客員教授。著書に『最強のシナリオプランニング』(編著、東洋経済新報社)など。クールジャパン関連の政府委員会で委員を務め、戦略の立案・推進で政府を支援。内閣府「税制調査会」特別委員。

A.T. カーニー 日本法人会長 梅澤高明
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グローバル企業で必要な5つのスキル

世界を舞台に活躍するには、どのようなスキルが必要でしょうか。英語力は、グローバル企業で働くときに求められる必要最低限のスキルです。トップクラスのグローバル企業で活躍できる人材になるためには、さらに5つのスキルを高いレベルで求められます。

『グローバルエリートの仕事作法』(梅澤高明著・プレジデント社)

まずは「ロジカルシンキング」と「アナリシス(分析)」です。ビジネス上の意思決定にはロジックと根拠が必要です。定性的なファクトと定量的データの分析が、意思決定の基礎材料となります。これらの材料をもとに、誰にでも理解できる形で合理的なストーリーに組み立てるのがロジカルシンキングです。特に多様な背景を持つ人が集まるグローバル企業では、アナリシスとロジカルシンキングの組み合わせが提案と議論を生産的に行う必要条件です。

「コミュニケーション」も重視されるスキルの1つです。個々の関係におけるコミュニケーションも大切ですが、特に必要なのはプレゼンテーション能力でしょう。グローバル企業では、たとえ秀逸なアイデアがあっても、それをうまく伝えて相手に理解させることができなければ、そのアイデアは存在しないことと同じです。

「リーダーシップ」も重要です。部署やプロジェクトチームのリーダーは、チームをまとめてイニシアチブを推進できることを求められます。具体的には、会議のファシリテーションを行い、メンバーの議論をまとめてタスクに落とし込んだり、ビジョンを描いてチームのモチベーションを引き上げるスキルが必要です。間性も無関係ではありません。当然ですが、人として尊敬できないリーダーには誰もついていこうと思いません。その意味では、リーダーシップは人間としての総合力といってもいいでしょう。

これらのスキルはMBAプログラムで鍛えることができます。ただ、2年間真剣に取り組んだ人とそうでない人では大きな差がつきます。MBAに留学して授業で出される課題をこなせば誰でも身につくというほど簡単ではないので、精進が必要です。

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