2015年7月21日(火)

改良よりも「改ボケ」 ~「ゆるい思考」と「はなまるコンプレックス」

“マネジメント”からの逃走 第29回

PRESIDENT Online スペシャル

著者
若新 雄純 わかしん・ゆうじゅん
人材・組織開発プロデューサー/慶應義塾大学特任講師

若新 雄純福井県若狭町生まれ。慶應義塾大学大学院修士課程(政策・メディア)修了。専門は産業・組織心理学とコミュニケーション論。全員がニートで取締役の「NEET株式会社」や女子高生がまちづくりを担う「鯖江市役所JK課」など、多様な働き方や組織のあり方を模索・提案する実験的プロジェクトを多数企画・実施中。著書に『創造的脱力』(光文社新書)がある。
若新ワールド
http://wakashin.com/

執筆記事一覧

若新雄純=文
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プロセスを楽しむ「ゆるい思考」

「改良」よりも「改ボケ」

社会が激しく変化する現代、「問題の発見からできる柔軟な発想が必要だ」とか言われます。でも、発想法やデザイン・シンキングだとか、アクティブ・ラーニング(課題解決型学習)などと言われても、なかなか肌に馴染みません。というよりも、またしてもその「正しいやり方」なるものを考えてしまう。もっと、「思考する」というプロセスそのものを楽しむべきなんでしょうが、僕たちはよっぽど、「正確に答えを導き出す」という命題にばかり取り組んできてしまったんだと思います。

でも、子どものころはもっと単純に「思考する」ことを楽しめていたような気がします。楽しいから考える。その考えがふくらんで、もっと楽しくなる。それは、その先の出口や正解なんかに縛られず、その行為そのものの純粋性が高かったからなんだと思います。役割や立場にあんまり関係なく、思考という行為そのものにすっかり集中している。それでいて、とてもリラックスしているのです。

僕はそれを、「ゆるい思考」と呼んでいます。「ゆるい思考」のポイントは、リラックスしているけれども、そんなにいいかげんではない、ということです。そして、無責任なようで、なんとなく当事者意識がある、ということです。

これまでご紹介してきた「鯖江市役所JK課」やその他のプロジェクトなどでも、いつもこの「ゆるい思考」を大切にしてきました。誰かに役割を期待され、その達成や解決に責任をもつというわけではないけれども、自分がなんとなく考えたことや口にした言葉は、なんとなく自分のものになる。そして、なんとなく自分を中心にひろがっていくのです。

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