冷凍焼けもせず、ドリップも出ない画期的な冷凍技術を開発したのが、横浜市に本社を置くテクニカンの山田義夫社長だ。冷風ではなく液体を使って短時間で凍結するシステムによって、冷凍・解凍を繰り返しても品質が劣化しない。冷凍食品に変革をもたらす発明だ。

冷凍焼けもドリップも出ない冷凍技術

山田義夫・テクニカン社長。

筆者の家庭には秘密の冷凍装置がある。そのおかげで、余った刺身や肉もおいしく冷凍保存できるし、炊いたご飯も1人分ずつ小分けして冷凍できると妻も重宝している。装置と言っても大げさなものではない。「トレジャーボックス」という商品名で、特殊な液体が入ったパックの間に食品を挟み込んで、家庭用冷凍庫の中に入れておくだけ。値段もSサイズで6150円とお手頃。そりゃ高いなあと思う方、一度試すと本当に味の違いに驚く。解凍した刺身が生同様の鮮度だ。

この商品を製造販売しているのが横浜市の中小企業であるテクニカンだ。同社は液体を使った凍結システムを独自開発し、最も小型で普及タイプの「凍眠」から大型のトンネルフリーザーまで販売している。大手の水産会社や食品メーカー、食肉加工場、外食チェーンなどに累計で1000台以上出荷し、築地市場でも利用されている。世界36カ国で特許を取得、海外への出荷も増えているほど、すでに定評ある技術だ。

ただ、一般消費者の目には留まらないので、その技術を知ってもらおうと商品化したのがトレジャーボックスである。同社のネットモール(「トレジャーモール」)から購入できる。