チームで仕事をするということは難しいことです。メンバーのモチベーションが低く、価値観、方向性がバラバラ……といった状態では、まとまることができません。昔なら、「みんなでぱっと飲みに行こう!」と“飲みにケーション”で気持ちを一つにすることができたのかもしれませんが、昨今の職場では、それも難しい状況にあります。「お酒飲めないので」「子どもが小さいので夜は無理です」「派遣社員の私も参加するんですか?」などなど、一つの職場にも多様な人が働いていて、飲み会の開催すら難しい……。こうした状況で、どうやってチームの価値観、方向性を合わせればよいのでしょうか。

社員が涙するヤマト運輸の感動体験ムービー

今回ご紹介するヤマト運輸で行われている「満足創造研修」は、チーム力を高める一つのヒントになるかもしれません。まずは、この研修が行われている背景からご説明したいと思います。

「クロネコヤマトの宅急便」でおなじみのヤマト運輸はご存じの通り、全国に配送網を持つ宅配事業最大手の会社。この宅配サービスの要となっているのが、日本全国約4000カ所の営業拠点で働く6万人のセールスドライバー(SD)たちです。ヤマト運輸のSDは全員が社員。単に配送車を運転し、荷物の配送業務を行うだけではなく、決済業務、集荷、サービス説明など、顧客のニーズに合わせた様々なサービスを提供する「営業」も兼ねているため、「セールスドライバー」と呼ばれています。日々、地域密着型できめの細かいサービスを提供するSDは、顧客のニーズをダイレクトにくみ取ることができ、それが、次々生み出される新規事業開発にもつながっています。