「反省会」ではなく、「語り合う場」が職場には必要

役員が全国を回り、第一線の支店長と直接対話をする「ダイレクトミーティング」。現場の声を直接、役員へぶつけることで、会社をどのようによくしていくかを話し合う。

日々、職場で互いの仕事経験、ストーリーを語り合う、という機会はあまり多くはありません。

上司と部下との面談などでも、「現状はどうなっている?」「困ったことはない?」と問題、課題を抽出し、その解決を図る、ということに主眼が置かれており、仕事経験について語ることは、それほどないのではないでしょうか。また、大きなプロジェクトを終えた後なども、改善点などを話し合う「反省会」を行うことはあっても、褒める、祝う、認め合う、といった機会は多くないように思います。しかし、現在の企業にとって必要なことは、自分たちの仕事のあり方を折にふれて振り返り、相互に承認し合う場ではないかと僕は思います。

そして、経験を語り合うことは、「自分は仕事をするうえで、何を大事にしているのか」「どんなふうに仕事をしたいのか」といった価値観を共有するために非常に効果的ですし、それは、組織、チームとして意思統一を図っていくうえでもとても重要です。

とはいえ、職場でいきなり「感動体験を話してください」と問いかけたところで、「悲惨体験は山ほどあるけど、感動体験なんてないよ」などと、場がしらけてしまうかもしれません。

まずは、チーム定例会や面談などの際に、「最近、仕事をしていて嬉しかったことを数分で話してください」といった形で、経験を共有するところから始めてみてはいかがでしょうか? ストーリーを語ることで、チーム内のコミュニケーションが少しずつ変わってくるはずです。

(構成=井上佐保子)
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