2015年5月16日(土)

“健診前”に知っておきたい6つのこと

PRESIDENT 2014年6月30日号

村上 敬=構成 奈良岡 忠=撮影
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毎年、健診の直前になって、焦って悪あがきする人へ。
21万人を診た健康診断医の第一人者が教える、知って得する6つの豆知識。

1 1年に1度人間ドックは受けるべき?

人間ドックはどれくらいの間隔で受ければいいのか。私が目安として提唱しているのは、「(100÷年齢)年に1回」です。つまり50歳の人なら100÷50で、2年に1回という計算になります。100÷年齢で、小数点以下は切り捨てます。51歳なら100÷51=1.96なので、1年に1回。40歳なら100÷40=2.5なので、2年に1回です。

50歳で2年に1回が目安と聞いて、少なすぎると心配する人もいるでしょう。しかし、間隔を詰めて同じ検査を受けても、あまり意味はありません。たとえば人間ドックでは、足の裏の皮膚がんは検査の対象外です。それは毎日、検査を受けても同じ。間隔を詰めてもわからないものはわからないのですから、過剰に受けるのはお金の無駄です。

まったく受けないのも問題です。「若くて元気だから受ける必要がない」と言う人もいますが、そもそも人間ドックは、自覚症状が出にくい病気を検査するために受けるもので、いま元気に見えるかどうかは関係ない。30歳で、いま何も自覚症状がなくて元気だとしても、3年に1回は受けるべきです。

2 午後より午前中のほうがいい数値が出る?

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午前中受けたほうがいい数値が出るのは赤血球

検査項目によっては、午前と午後で数値が変わるものがあります。午前のほうがいい数値が出るのは、血清鉄(定期健診では対象外)や赤血球。逆に午後がいいのは白血球数の検査です。

ただ、会社の健診は時間がだいたい午前に受ける人がほとんど。自分で選べないのでは、気にしても仕方がないのではないでしょうか。

3 1週間前から運動したら数値は改善するか

項目によって違いますが、ほとんどの項目は1週間前から運動したところで影響ありません。もともと数値が基準範囲であれば、運動してもしなくても、そのままA評価になるでしょう。

数値の改善が見込めるものとしては、中性脂肪があげられます。ただ、1週間前から運動して中性脂肪を減らしても、検査後に運動をやめれば元に戻りかねません。継続的な運動が大切であることはいうまでもないでしょう。

一方、直前の激しい運動によって数値が悪化する項目もあります。肝臓の検査で調べるAST(GOT)です。ある患者さんが検査を受けたところ、ASTの数値が高く、急性肝炎の疑いがあるという診断を受けました。しかし、よく話を聞いてみると、その患者さんはマラソンを走ったばかり。ASTは筋肉の使いすぎによっても高くなるため、検査で高い数値が出たのです。結局、この患者さんは1週間で数値が回復しました。直前の激しい運動は、誤診を招くおそれもあります。くれぐれも注意してください。

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