Case1 「単純な計算問題はやらせません」

算数の土台は計算力です。私の塾では、小学3年生の終わりまでに分数のかけ算・わり算を含め小学6年生までに習うすべての計算を教えます。そして基本的な計算問題を徹底的に繰り返しさせます。

最近は、論理力や応用力などを重視する風潮があるためか、単純な計算問題に取り組むことを軽視している親が多いです。計算力は算数を解くときの“体力”のようなもの。スポーツをする際、いくらテクニックを磨いても、体力がなければうまくはいかないことと同じです。

「自分が子供の頃、計算はあまりやっていなかったからさせる必要はない」という親もいます。しかし、30~40代の親が子供だった頃に比べて、今は小学校での演習量が減っており足りていません。家庭で計算練習をさせることは今の子供には欠かせないものなのです。

このようなシンプルな計算ドリルでOK

家庭で計算力をつけることは難しいことではありません。私の塾で使っている計算問題は市販の計算ドリルと同じものです。どれでもいいですので、1冊買って毎日1ページずつやらせてください。時間は気にしないでください。ノートは使わず、ドリルに直接書き込ませましょう。ノートに書くのは子供にとって「面倒くさい」こと。子供たちの取り組みへの障壁はできるだけ減らしてあげて計算に集中させましょう。

子供が解き終えたら、必ず親がマルつけをしましょう。そして、間違えた場合は、もう一度解き直させて、再度マルつけをする。これを毎日繰り返してください。

なぜ子供にマルつけを任せないか。子供は、親にいいところを見せたいという思いやプライドから採点が甘くなりがちです。正確に解く習慣をつけるためにも、間違えた問題の解き直しは重要で、厳しく採点するべきです。

マルつけの際は、景気よく大きな丸をつけてあげてください。それが子供の勉強へのモチベーションになります。