留学も海外駐在もしていないのに、「なぜか英語ができる人」の工夫と知恵を大公開!

サントリー 技術開発本部 生産技術部 津守研二

5年前に異動した頃はほぼゼロに等しかった海外の案件が、ここ2~3年で急に増えました。私の役回りは、国内外の工場への新規技術の導入やライン投資でテコ入れし、技術を展開すること。今は月1~2回インドネシアに赴きます。

初めて海外の案件を手掛けたのが約3年前。そのときに本当にしゃべれなくて(苦笑)、同期に教えてもらった1日数百円のウェブレッスン「rarejob」「ぐんぐん英会話」を始めました。そして2012年、海外キャリアを積むための1年間の社内研修システム「キャリアチャレンジ」に応募しました。外部のビジネススクール通学と語学の勉強が課せられます。当時はTOEIC550点でしたが、860点以上が修了の条件です。

勉強は朝7時に出社して2時間。夜9~10時に帰宅後1時間。土・日は図書館でフル回転。妻と3人の子供には感謝しています(笑)。教材はキャリアチャレンジの同期や卒業生に教わりました。私は、聴き取りの力は話す力が同程度ないと伸びないと思っています。そこで、TOEICの特殊性が最も反映されているという『TOEICテスト新公式問題集』(CD付きVol.1~5、国際ビジネスコミュニケーション協会)を使い、流した音声のすぐ後から繰り返す“シャドウイング”を行いました。これでネーティブの話し方に近付き、ひいては聴く力との間の“ズレ”がなくなります。

文法は『1駅1題――新TOEIC TEST文法特急』(朝日新聞出版)と『千本ノック!』(祥伝社)の1から5まで。これらのテキストを最初の1カ月で1度すべてクリアし、後はひたすら繰り返しました。

大きかったのは自分の権限で、例えば海外の設備メーカー等とのテレビ会議や、日本に来ていれば声をかけて打ち合わせができたこと。週1回は英語をナマで話す機会をつくったんです。勉強と実践をパラレルでできた。実践のスキルはむしろこちらで上がりました。

750点はすぐでしたが、しばらく800点あたりをうろついて、すごく焦りました。でも、「原点回帰だ」と自分に言い聞かせて同じテキストだけ繰り返し、最後は1冊につき1日1回、電車の中などですべて目を通していました。おかげで9カ月目に850点突破。翌月に890点に達しました。キャリアチャレンジも無事修了。インドネシアでの仕事がいち段落したら、希望する欧州に行けたらいいなと思っています。