2015年2月21日(土)

水分のとりすぎは、体調を悪くする?

なぜ、おなかをすかせると病気にならないのか【3】

PRESIDENT BOOKS /PRESIDENT Online スペシャル

著者
石原 結實 いしはら・ゆうみ
医学博士

1948年長崎市生まれ。長崎大学医学部を卒業後、血液内科を専攻。「白血球の働きと食物・運動の関係」について研究し、同大学大学院博士課程修了。スイスの自然療法病院B・ベンナー・クリニックや、モスクワの断食療法病院でガンをはじめとする種々の病気、自然療法を勉強。コーカサス地方(グルジア共和国)の長寿村にも長寿食の研究に5回赴く。現在は東京で漢方薬処方をするクリニックを開く傍ら、伊豆で健康増進を目的とする保養所、ヒポクラティック・サナトリウムを運営。著書はベストセラーとなった『生姜力』(主婦と生活社)『食べない健康法』(東洋経済新報社)『「体を温める」と病気は必ず治る』(三笠書房)、石原慎太郎氏との共著『老いを生きる自信』(PHP研究所)など、280冊以上にのぼる。著書は韓国、中国、台湾、アメリカ、ロシア、ドイツ、フランス、タイなど世界各国で100冊以上翻訳出版されている。1995年~2008年まで、日本テレビ系「おもいッきりテレビ」へのレギュラー出演など、テレビ、ラジオ、講演などでも活躍中。先祖は代々、鉄砲伝来で有名な種子島藩の御殿医。

執筆記事一覧

医学博士・イシハラクリニック院長 石原結實=文

余分な水分が、体を冷やす原因に

『なぜ、「おなかをすかせる」と病気にならないのか?』石原結實著(プレジデント社)

日本人の死亡原因2位の心筋梗塞と4位の脳梗塞は、ともに血栓症である。だから、「血液をサラサラにするために、毎日水をしっかり飲むように」と西洋医学では指導している。そのせいか、ふだんからペットボトルで水やお茶を持ち歩く人も数多く見かける。

しかし、体にとって大切な水も、とりすぎて排泄がうまくできないと、健康に甚大な被害を及ぼすことになる。漢方でいうところの「水毒」という状態である。

人間は体温で体内のすべての代謝を行ない、生命の灯を燃やしている。だから、体内の水がうまく排泄されず体温が低下する(冷える)と、生命と健康に重大な障害をもたらすことになる。その体温が、現代人は50年前にくらべて約1度低下している。

外傷を負わなくても冬山で凍死することがある。また一日のうちで、体温や気温が一番低くなる午前3~5時に、一番多く人が死ぬ。このように、人間は冷えると死ぬことさえもあるのだ。

人間は冷えると、冷えの一因となる余分な水分を体外に捨てることによって、体を温めようとするメカニズムが働く。「寝冷えすると下痢する」「冷えて風邪をひくと鼻水、くしゃみが出る」「偏頭痛もちの人が、嘔吐して(胃液という水分を捨てて)体を温め、痛みから逃れようとする」「病気をすると寝汗をかいて水分を捨て、体を温めて病気と闘おうとする」「もともと体温の低い老人が病気が悪化するのを防ぐために、夜間頻尿を呈して余分な水分を捨てて体を温める」……。このどれもが、余分な水分を捨てて、体を冷えから守ろうとする現象である。

生命にとって空気の次に大切な「水」も飲みすぎると「冷え」や「痛み」をはじめ、種々の害をもたらすから、このような「水の排泄現象」が起こるのである。

※本連載は『なぜ、「おなかをすかせる」と病気にならないのか?』(石原結實 著)からの抜粋です。

石原結實(いしはら・ゆうみ)●医学博士・イシハラクリニック院長。1948年、長崎県長崎市生まれ。長崎大学医学部卒、その後同大学院博士課程を修了。1982年、イシハラクリニックを東京に開設。
オフィシャルサイト http://www.ishihara-yumi.com/
『なぜ、「おなかをすかせる」と病気にならないのか?』(プレジデント社)
なぜ、「おなかをすかせる」と病気にならないのか?

[著] 石原 結實  

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