2014年12月10日(水)

「サイバー戦争の真実」なぜ日本は世界第3位の標的なのか

PRESIDENT Online スペシャル

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「サイバー戦争はすでに始まっている」

米大統領情報問題担当補佐官を10年以上にわたり務めた情報セキュリティの専門家、リチャード・A・クラークは、自書『世界サイバー戦争 核を越えた脅威 見えない軍拡が始まった―』の中でこう断言している。

ファイア・アイのデビッド・デウォルトCEO(最高経営責任者)。

「サイバー戦争は現実であり、すでに始まっている」

さらに、サイバー戦争は世界の軍事バランスを覆すだけでなく、世界の政治経済の関係をも一変させる恐れがあるとも指摘する。

2007年エストニア、08年グルジア、09年韓国、10年イラン、12年サウジアラビア……。ここ数年だけでもサイバー攻撃によってこうした国々の社会インフラ、企業ネットワークが甚大な被害を受けていて、つい最近も米国の郵政公社がサイバー攻撃を受け、80万人以上の個人情報が流失したばかりである。

例えば、昨年3月には、韓国の報道機関、金融機関の社内イントラネットにつながるコンピュータが一斉にダウンしている。

直接の引き金は各企業の社内ネットワークに広がったマルウエア(悪意のあるソフトウェアや悪質なコードの総称)だった。このマルウエアがPCのハードディスクのマスターブートレコード(ディスクドライブからの起動時に、最初に読まれるディスクの領域)を破壊し、ハードディスクを特定の文字列で埋め尽くして、PCをダウンさせた。KBS(韓国放送公社)を始めとする、韓国の3つの放送局、新韓銀行、農協銀行のPCをダウンさせ、銀行の一部ATMを使用不可能にさせたのである。

今や、サイバー攻撃はこうした社会インフラ、つまり市民生活にとって極めて重大な脅威である。

一方、サイバー攻撃は、前述の通り、企業にとっても、死命を制するような存在になっている。特定の企業を、特定の利益目的でサイバー攻撃を仕掛けるようなことが、日常茶飯のように行われる時代がすでに来ている。

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