効果の持続期間は5カ月程度
65歳以上の人と60~64歳で心臓、腎臓もしくは呼吸器の機能またはヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能に障害を有する人(身体障害者手帳1級程度)は、国が接種を強く推奨する「定期接種」の対象になっており、一般的に、ワクチンで強い副反応が出たことがある人以外は、受けたほうがよいだろう。米国では、乳幼児や高齢者、基礎疾患のある人が家族にいる人、医療関係者などそういった人たちと接する職業の人にもインフルエンザワクチンの接種が推奨されている。
特に持病もなく元気な10代~50代なら、インフルエンザになったとしても1週間くらいで回復する。「それなら予防接種は必要ない」と考えるなら、「受けない」という選択もありだろう。受験生とその家族、仕事が忙しくて1週間も休んでいられない人は、少しでもリスクを減らすために接種を受けたほうが無難かもしれない。
接種は生後6カ月~13歳未満は2回、13歳以上の人は1回が基本。基礎疾患のある人などリスクの高い人は医師と相談のうえ2回受けたほうがいい場合もある。ワクチンで抗体ができ始めるのは接種後2週間程度経ってからなので、大流行が始まる12月くらいまでに接種を受けておいたほうがいいとされる。毎年接種が必要とされるのは、効果の持続期間は5カ月程度と短く、昨シーズンと今シーズンのワクチンは内容が異なるからだ。
費用は医療機関によって異なるが、ワクチンの内容は同じなので、私自身は近隣の医療機関のホームページを見て比較し、最も安価と思われるところで接種を受けている。定期接種の対象になっている65歳以上の人と60~64歳未満で一定の障害のある人は、市区町村で10~12月あるいは10~翌年1月くらいまで助成が受けられ自己負担が軽減される場合が多いので、住んでいる市区町村の窓口に問い合わせてみよう。例えば、東京都千代田区は定期接種の対象になっている人は期間内なら自己負担なし、新宿区は2200円(75歳以上と生活保護世帯の人は無料)で接種が受けられる。