相田みつを式お礼状:50円で営業訪問と同じ効果を生み出すコツ

講演の世界でカリスマ講師と呼ばれる人たちは皆、筆まめです。お中元やお歳暮を贈るとその日のうちにFAXが入るか、2、3日以内に手書きの礼状が届きます。

それを真似て私もまめに手書きで手紙を書くようになり、年間に2000枚くらい出しています。私は同じ主催者から講演のリピート依頼を頂くことが多いのですが、講演内容の質とともに「相田みつを式お礼状」が効いているのだと思います。

私の場合、用意しているハガキには顔写真と文章を書き込むための吹き出し、住所と名前、そして「ありがとう」の言葉を印刷しています。顔写真を入れるのは単純接触効果を得るためです。

吹き出しの枠はわざと小さめにしてあり、筆ペンを使い、枠から飛び出すように大きく文字を書く。筆ペンを使用するのは文字数が少なくてもボリューム感を出せるからです。私が使っているのはぺんてるの「つみ穂」。毛先を1ミリくらいカットして文字が太くなるようにしています。

文字の書き方は基本的に逆三角形をイメージして、漢字は大きくひらがなは小さく、一つひとつを揃えないようにします。こうするとヘタウマに見えるんです。イメージしているのは相田みつをさん。もともと私は字が下手なのですが、相田さんのカレンダーの上にコピー用紙を置いてなぞる練習を100回くらいしました。

ハガキにはあいさつと感謝の言葉をしたためます。「講演会にご参加いただきありがとうございました」という具合。追伸を加えることもあります。「手書きのハガキで仕事が取れるなら誰も苦労しない」と思う方がいるかもしれません。しかし現実にはお礼の手紙を書くのは100人中3人しかいないと言われています。手紙が効果的とわかっていても、皆さん継続ができないんですね。逆に継続して手紙を書くことができれば優位に立てます。手紙ならば相手に好印象を与えながら営業訪問に何度も行っているのと同じ効果を生み出します。しかもコストは1枚50円。DMに何十万円もかけてもそんな効果は得られません。

お客の心をわしづかみ!お礼状を書く4つのコツ

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お客の心をわしづかみ!お礼状を書く4つのコツ

【1】必ず筆ペンを使用
太い文字のほうが上手に見える。筆ペンのペン先1ミリをカットしてさらに太くするのがおススメ

2吹き出し枠からはみ出す
吹き出しの枠は小さめにしておく。枠から飛び出させることで、お礼状を受け取った相手はメッセージをたくさん書いてもらったという気になる

3下手ウマに見える「逆三角形」
字は上手でなくても構わない。文字は逆三角形をイメージして書くことで人懐っこさが出る

4漢字は大きく、ひらがなは小さく
大きさを揃えないことで、メリハリがつき、読みやすくなる

ファーストアドバンテージ 代表
酒井 とし夫

商売心理学の達人。1962年生まれ。広告会社勤務を経て独立。米国NLP協会認定NLPプラクティショナー有資格者。
(構成=宮内 健)
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