昨年末の国会に提出された「IR(統合型リゾート)推進法案」の審議がGW前後に始まる見通しだ。IR法案にはカジノ施設が含まれているため、日本のカジノ合法化を目指す国内外の企業にとって法案提出は悲願だった。今年2月下旬のロイター紙面で、米カジノ運営大手ラスベガス・サンズが「日本のカジノに100億ドル(約1兆円)の投資準備あり」と“客寄せ巨額カード”を切った。

この投資ゲームにほかの海外カジノ運営各社も参戦し投資計画の金額を次々に上方修正。海外投資家の“売り越し”が目立つ日本経済だが、賭博ビジネスのみ高値がついたわけだ。ただし投資に見合う回収が前提となるため、金融筋は冷静だ。

「投資額1兆円に見合う市場規模はその4~5倍だから、あれは投資ゲームです(笑)。我々の見立ては1.5兆~2兆円。ただ、カジノが登場すれば日本のゲーミング粗利益はいずれマカオに次ぐレベルになります」(外資系金融関係者)

カジノ含みのIR法制化は「推進法」と「実施法」の2段階審議という順路を踏む。前者でカジノを含むIR設置の基本的な制度設計を行い、後者で施設設置に関わる実務規定を定める。IR施設建設には巨額マネーが動くため、金融、ゼネコン、デベロッパー、設備機器、サービスなどがその法制化を待ちわびている。

「2019年末か20年初までに施設を開業しなければ東京五輪に間に合いません。実施法の成立後2年以内に諸々の追加措置が講じられ、建設に3年。逆算すれば、政府がIR入札を発表してカジノ免許が公布されるのは16年、工事の着工は17年初です」(国交省外郭団体の幹部)

しかし、コトはそう簡単に運ばない。日本には競馬・競輪・競艇・オートレースなどの公営ギャンブルとは別に、実態としてなかば公認の“民営ギャンブル”パチンコがある。法的には「一時の娯楽に供するもの」とされ、機械の射幸性を規制し直接の換金も禁じているが、カジノに外資が参入するのであれば公設公営の垣根が消えるため、同業界にとっても悲願である業態の合法化推進に拍車がかかる。実際、あちこちでその動きは表面化している。その一方で、カジノ同様に政・官の利権もからみ、いくつもの“火種”を孕んでいる。今夏から年末にかけて、国会審議とともに報道合戦が始まる。